明けましておめでとうございます。
2026年1発目は、1年半ぶりの連載「教則本 棚卸」 記事 vol.22になります。最近は教則本を買う機会も減ってしまったのですが、新年早々、偶然、小暮哲也さんの新刊「ジャズ・ギター教室の裏メニュー・レッスン」の広告を見かけました。何やらそそられるタイトルです。

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久しぶりに小暮さんにご連絡をお入れしたところ、取材の快諾を頂きました。
◼️YouTubeチャンネルの人気講座をベースに制作
(編集)お久しぶりです。前回の「達人に聞く」記事から5年近くが経ってしまいました。
(編集)まずは、出版のキッカケを教えて頂けますか?
(小暮さん:以下、敬称略)今回の教則本は、YouTubeチャンネル「ジャズギターレッスンTV」で特に人気だった講座内容をベースにしつつ、書籍用に解説や譜例を新たに書き起こし、編集してまとめたものなんです。
YouTube: https://youtube.com/@jazz.guitrar.lesson?si=g_hCUM0-HALsmvQY
(編集)なるほど、レッスン現場のマーケティングに基づいているんですね。
◼️興味をもったトピックから自由に始められる
(編集)タイトル「裏メニュー・レッスン」に強烈に惹かれてしまったんですが(笑)、どういった内容なんですか?
(小暮)内容のコンセプトはタイトル通り「裏メニュー」です。正攻法の教則本を何冊も試して伸び悩んでいる人に向けて、プロが現場で培った “あと一押しで効果が出る”裏技的な練習法を紹介しています。私自身「理論は覚えたのに演奏で活かせない」「フレーズを練習しても本番で出てこない」といった壁にぶつかった経験があり、そうした悩みに応えるノウハウを詰め込みました。
(編集)多くのギタリストがぶち当たる壁ですね。
(小暮)なので、一般的な教則本のように、初級から順番に積み上げる構成ではなく、興味を惹くトピックから自由に始められる構成にしたんです。実際、「Ⅱ-Ⅴフレーズはいらない?」といった逆説的なテーマもあり、固定観念にとらわれず発想を転換させるようなアプローチを随所に盛り込みました。
(編集)苦行者の悩みをよく分かっていらっしゃる(笑)
(小暮)単なるフレーズ丸暗記ではなく、学んだフレーズやアイディアが少しずつ繋がり、自然とアドリブに活かせるようになることを狙っています。
(編集)発売が待ち遠しいですが、簡単に各章の概要をご紹介頂けますか?
◼️第1章:基本的なコード編
(小暮)ジャズギターの基本中の基本である5種類のコードと「4つ刻み」のリズムを学ぶ章です。比較的早く習得できる内容ですが、頭と身体で理解できるまで繰り返し練習して基礎固めをします。

◼️第2章:アドリブにおけるフレージング編
(小暮)覚えたフレーズをなかなか本番で使えない人向けに、発想を広げる様々なアイデアを紹介しています。小さなフレーズを発展させたり色彩を加える練習法で、アドリブにおけるフレージング力を高めます。

◼️第3章:知っていると得する理論編
(小暮)複雑に思えるスケールやコードの仕組みを、必要最小限の理論で分かりやすく整理しています。演奏中に生じた疑問を振り返って理解を深めることができ、腑に落ちる感覚が得られる内容です。

◼️第4章:ブルース編
(小暮)ブルースで陥りがちなペンタトニックの使い分けの迷いを解消し、ブルースらしいシンプルなフレーズの育て方を解説しています。Fブルースのバッキングも取り上げており、ジャズに不可欠なブルースのエッセンスを実践的に学べます。

◼️第5章:スタンダード曲で実践!
(小暮)仕上げとしてスタンダード曲で学んだ内容を実践する章です。「Billie’s Bounce」でのアドリブ模範演奏を通じて各種アイディアが演奏でどう活きるかを体感。さらに「All The Things You Are」「Someday My Prince Will Come」のソロ・ギターアレンジ譜を収録しました。学んだフレーズを実際の名曲で試すことが可能です。

◼️章ごとにオリジナル動画を作成
(小暮)各レッスンに対応する QRコード付き動画(全25本) も収録していますが、全て本書のための新規撮影なんです。紙面の解説と連動した映像で指板上の動きやニュアンスを確認できるので、独学でも挫折しにくい工夫が凝らされています。独学者の視点に寄り添った内容を心掛けました。
(編集)どの章も興味深い切り口ですし、今回用に全てオリジナルで動画まで制作という気合いの入った本なんですね。
(小暮)ジャズギターの練習に行き詰まりを感じている方は、ぜひチェックしてみてください。
◼️小暮哲也さんプロフィール

千葉県出身。高校時代にロックやフュージョンに親しみ、その後ジャズに傾倒。岡安芳明氏に師事。都内・千葉・横浜のジャズ・クラブを中心に演奏活動を重ね、温かくスウィング感溢れるプレイ・スタイルで定評がある。
2010年、リーダー・アルバム『Am I Blue?』(ホワッツニューレコード)をリリースし、ジャズ専門誌で高い評価を得る。その後も、豪華客船〈飛鳥Ⅱ〉での演奏や、国内外のプレイヤーとの共演、各地ジャズ・フェスティヴァル出演など幅広く活動を続けている。
レッスンでは“ 理論より感覚”、“ 難解より実感” をモットーに、独学者がつまずきやすいポイントを丁寧に解説。YouTubeチャンネル『ジャズギターレッスンTV』は登録者15000人を超え、“神フレーズ”などの人気動画も多数。
◼️仕様/目次
ジャズ・ギター教室の裏メニュー・レッスン
〜独学者の壁を越える動画サポート付き
A4変形判 / 112ページ、2026.01.15発売
amazon: https://amzn.to/4srA2qu
(1)Chapter 1 基本的なコード編
・初めに覚える 5 つのコード
LESSON 1 まず知っておきたいコード
LESSON 2 “4つ刻み” にチャレンジ
・すべての[II-V-I]を素早く覚える
LESSON 3 メジャー・キーの[II-V-I]
LESSON 4 マイナー・キーの[II-V-I]
・ジョー・パスの理論、難しくない!
LESSON 5 基本となるジョー・パスの考え方
LESSON 6 ジョー・パスのシンプルな考え方でフレーズを弾いてみよう!
(2)Chapter 2 アドリブにおけるフレージング編
・大発見! ツー・ファイヴに隠された謎
LESSON 7 小さなフレーズから広がるアドリブの世界
LESSON 8 フレーズにほかの色彩を添えていく
・絶対に身につけたい、”神フレーズ”!
LESSON 9 オルタード・フレーズを最大限に活かす方法
LESSON 10 メジャー・フレーズの効果的な覚え方と育て方
LESSON 11 IIm7 のフレージングと全体的なフレーズ構成
・究極の超ウルトラ神フレーズ(ラスボス編)
LESSON 12 万能フレーズを 1 〜 4 弦で弾く
LESSON 13 万能フレーズをほかの弦の組み合わせで弾く
LESSON 14 万能フレーズを実践に投入
・実践で活きるオルタード・フレーズの覚え方
LESSON 15 使えるポジションを頭に叩き込む
LESSON 16 実践力を高める
(3)Chapter 3 知っていると得する理論編
・スケールは6つだけ覚えろ!
LESSON 17 まずは結論:”6つだけ”でいい理由
LESSON 18 よくある質問に、お答えします
・誰も語らなかったメジャー・シックス・コードの真実
LESSON 19 メジャー6コードとメジャー7コードの違いを掴む
(4)Chapter 4 ブルース編】
・上手い人だけ知っているペンタの秘密!
LESSON 20 ブルースらしさは ” たった 1 つのフレーズ ” から始まる
・Fブルース・バッキングができなきゃジャズじゃない!
LESSON 21 ジャズを始めるなら、まずはブルースから
(5)Chapter 5 スタンダード曲で実践!】
・アドリブ模範演奏
Billie’s Bounce
・ソロ・ギター・アレンジ
All The Things You Are
Someday My Prince Will Come(Key=B♭)
Someday My Prince Will Come(Key=E)
◼️最後に(編集者から)
中身を見ないで本をご紹介するのは、連載「教則本 棚卸」でも前代未聞な試みです。ただ、多くの教則本をチェックしてきた目から見て、妄想や期待を膨らませてくれる見出しが並んでいて、そそられる本になっています。
誰かの指導を受けている方も、独自で学ばれている方も、伸び悩みを感じた経験はあるはず。この本で、気づけなかった課題が発見できたり、出口のヒントを貰えるかもしれません。ご興味持たれた方は手に取ってみては如何でしょうか。
小暮さん、ご多忙ななか、取材のご協力ありがとうございました。
(ご案内)xにて記事の新着をお知らせしています。https://x.com/jazzguitarnote