ケーブル修理、大失敗の末に ❸再修理

045guitars 鶴淵さんを講師に、ケーブル修理について学んできました。前編❶では、部材・道具選びについてアドバイスを、中編❷では、実際に修理を生で見せて頂きながら解説を頂きました。 

(前編❶)https://jazzguitarnote.info/2024/03/02/try-cable-repair-again-1/

(中編❷)https://jazzguitarnote.info/2024/03/08/try-cable-repair-again-2/

そして、いよいよお手本を参考に、ハンダ修理に再チャレンジ。ところが、鶴淵さんから、あれだけ学ばせてもらいながら、コトは簡単には行きませんでした。何度もやり直しが必要だったし、時間も掛かってしまったんです。 

3回連載の最終回となる、この後編❸では、ハンダ音痴な私が、試行錯誤する中で気づいたこと・学んだことをリポートさせてください。 

2本のケーブルで試してみた 

鶴淵さんの助言を元に、道具類も整え直し、ハンダ付けをおこないました。独学チャレンジの時と比べれば、飛躍的にマシな感じで施工できましたが、妄想していたテキパキと熟せるイメージとは程遠いものでした。 

ざっくり言うと、作業上での気づきは下記のような点です。 

・プラグによって、またストレートかL字かによって、外被膜や心材被膜の剥く長さが変わってくる。プラグに当ててみて、丁寧に確認しながら調整をおこなうこと。

・「上手くハンダが乗らない」「ハンダが裏側まで回らない」なんてやっているうちに、結局ハンダを乗せすぎてしまう。あれだけ鶴淵さんの手元を目の前で確認していたのに。 ハンダ選び(マイナスドライバー型のコテ先)は重要な気がする。慣れるしかない感触。

 ・できるだけ揃えたい道具:マイナスドライバー形コテ先のハンダゴテ、ハサミ形のケーブルストリッパー(芯線の被膜用)、クランプ(的な固定する道具)、ハンダ吸い取り線、千枚通し(もしくは目打ち) 

(参考)ハンダゴテ https://amzn.to/3wNIWWU + コテ先 https://amzn.to/3Tl6w6v
(参考)ハサミ型のワイヤーストリッパー https://amzn.to/3wzb8wN
(参考)マルチクランプ https://amzn.to/49z3sZT
(参考)ハンダ吸い取り線 https://amzn.to/3Ijotfi

 ・余裕があれば揃えたい道具:温度調整できるハンダゴテ、ケーブルの外被を剥く専用ストリッパー、フラックス、ケーブルテスター 

(参考)ケーブルの外被を剥く専用ストリッパー https://amzn.to/3UWpmC7
(参考)フラックス https://amzn.to/4bZterZ
(参考)ケーブルテスター https://amzn.to/3uVjyOA

後悔の道具選び❶ハンダゴテ

何も分からぬまま、オヤイデ電気で勧められるがまま、初心者用のハンダゴテを買ってしまっていました。W数こそ適合していたものの、ちゃんと調べて買えば良かったなと反省です。決して不具合がある訳ではないものの、値段にさほどの差がなければ、より快適なモノを選んでおきたいところです。

・私のコテはペンシル型。ハンダをやり直ししてみて、確かに先っぽしか当てられないので、温まるのに時間が掛かってしまうのも実感出来ました。できれば、鶴淵さんの勧めるマイナスドライバー型のコテ先を。

・私のは温度調整ができないタイプでした。温度調整機能のついたセラミックヒータータイプは少し価格が高いので、深入りする気がない方は、どちらを選ぶか、迷われるところかもしれません。 

(参考)ハンダゴテ https://amzn.to/3wNIWWU + コテ先 https://amzn.to/3Tl6w6v

後悔の道具選び(2)2種のケーブルストリッパー 

 1)芯線の被膜用 

amazonでハサミ形のケーブルストリッパーを買いました。これ、心材の被膜を剥くのに、めちゃくちゃ便利です。仕上がりも綺麗。絶対に買ったほうが良いです。 

(参考)ハサミ型のワイヤーストリッパー https://amzn.to/3wzb8wN

 2)外被膜用 

一方で、ケーブルの外被膜用に下記も買ってみたのですが、私には全く使いこなせませんでした。使い方にコツがあるのでしょう。値段に釣られて手を出してしまった結果です。 

仕方がないので、ケーブルの外被膜を剥離する際も、ハサミ形のストリッパーを、最大口径(2.0mm)の穴で甘噛みする感じで使いました。やはり網線がパラパラと切ってしまいます。カッターを使うよりは遥かに楽でしたが、鶴淵さんのように美しくは出来ませんでした。

不安のある方は、鶴淵さんお勧めのケーブルの外被を剥く専用ストリッパー(上写真)、ご検討ください。 

(参考)ケーブルの外被を剥く専用ストリッパー https://amzn.to/3UWpmC7

後悔の道具選び(3)クランプ(プラグやケーブルを固定)

鶴淵さんのお勧めマルチクランプも欲しかったのですが、何か工夫が出来ないかと100円ショップで代用できそうなモノ(下写真)を買ってきました。しかし、これは大失敗。グラグラしてしまって全く使えません。 

取材での動画撮影用に所持していたスマホホルダー(下写真)も試してみましたが、これもホルダー自体が回転してしまって苦労しました。そもそも色んな角度に調整できることを求められる道具。固定したいのに、真逆の機能を持った道具を使えば当然の結果でした。 

クランプの代わりに、エフェクターのジャックに刺して代用される方もいますが、エフェクター自体に少なからず影響ありそうで怖すぎます。ギターケーブル専用のものでなくとも、何かしらしっかりと固定できるクランプ的な道具(下写真)が必要と痛感しました。 

(参考)マルチクランプ https://amzn.to/49z3sZT

後悔の道具選び(4)千枚通し

失敗した前回の修理時には、網線をほぐすのに、カッターやネジ切りを使っていました。当然、線材を傷付けることとなり、ポロポロと千切れた線が落ちてきていました。  

そもそも今回のケーブルの故障は、そうした雑な処理によってバラケ出ていた、ヒゲ状の髪の毛くらいの1本の線がプラグ内で接触して、ショートしていたから。網状線材のホドきは、意外に重要で、丁寧に処理しなければならない部分のようです。 

 ココは意外に見過ごしやすいポイントかも。これからチャレンジされる方は、100円ショップ等で千枚通しを購入し、丁寧に編み線(シールド)をほぐして処理されることをお勧めします。 

追加の部材・道具(1)フラックス 

 塗るだけで、ヤニの代わりとなって、ハンダが乗りやすくなるとのことで購入しました。汚れを取ってくれたり、酸化してしまった部分を洗浄してくれる作用もあるそう。目に見えて大きな効果が実感できる訳ではありませんでしたが、値段も安いので、安心を買う感覚で。 

(参考)フラックス https://amzn.to/4bZterZ

追加の部材・道具(2)ハンダ吸い取り線

プラグを再利用する場合、元々付いていた線材をコテで温めて剥がすと、溶かしたハンダの残骸がプラグ側に残ります。この残骸ハンダはヤニ部分が蒸発しており、折角新しいハンダを乗せても、くっつきにくくなるなどの弊害があります。 

コテで温め溶かした古いハンダに、ハンダ吸い取り線を当てると、編み込まれた線の中にハンダが吸い込まれてプラグから取り去ってくれます。注射器のような構造で吸い取るタイプのものもありますが、この線状のタイプが使いやすいように感じました。

余談ですが、綺麗に吸い取ろうと油断して当てていると、コテから吸い取り線を経由して熱が左手まで伝わり、アチチッなんてことが起きます。要注意。 

(参考)ハンダ吸い取り線 https://amzn.to/3Ijotfi

追加の部材・道具(3)ケーブルテスター

正直、わざわざテスターを買う必要はないと思っていました。上手く修理できたかは、音出しすれば分かることだし、なんて。ところが、先日、ぶらりとハードオフに立ち寄ったら、Behringer CT100が出ているではありませんか。1ケ月の保証付きで¥2000を切る売値、新品市価の60%オフです。この偶然の出会いを見過ごす訳にもいかず、つい購入してしまいました。 

そしてハンダ付けやり直しでテスターを使ってみたら、どれだけ便利な道具か確認できました。ハンダ付けしてプラグが冷えてからテスターに刺してみると、チップ(内側)とスリーブ(外側)の、どちらが繋がっているかいないか、或いは両方がショートしてるか、一眼で分かるんです。スリーブ側が点灯しなくて、よくよく見てみたらハンダが浮いてたとか。 

鶴淵さんのお手本が正確かつ澱みなかったこともあり、テスターは念のために使っている風で、正直なところ、さほど有り難みが分かりませんでした。テスターは私のような技術の未熟な者にこそ、有効な道具なんですね。あると便利です。 

(参考)ケーブルテスター https://amzn.to/3uVjyOA

3回の連載を終えて(編集者から) 

 鶴淵さんにご指導いただいて、部材や道具の選び方も含めて、ハンダ付けのコツを学べたのは本当に有難いことでした。 記憶が薄れないうちにと、早速、ケーブル2本の修理を自分でやり直してみましたが、見るとやるとでは大違い。鶴淵さんのお手本を動画で撮っておけば良かったなーと後悔してます。自分で何度かやって、慣れていくしかないのでしょう。 なお、鶴淵さんにメンテナンスをお願いしたい!と言う方もいらっしゃるかと思いますが、現在、新規受付はされていないそうです。

今回、鶴淵さんに頂いた貴重な時間、買い足した部材や道具の費用、取材や記事化に掛かった時間、再ハンダ修理の手間などを考えると、1本¥5,000前後であれば新品を買ったほうが遥かに効率的だったでしょう。 ハンダを避けてきた読者の方々に対しては、記事によって、返って一層と自作する面倒さを感じさせてしまったかもしれません。

ただ、今回の一連の取材と再修理によって、私自身は、よりケーブルへの理解が深まりました。ここまで経験しながらも、ケーブル自作の沼に足を踏み入れる勇気はありませんが、自作でなく修理であれば、意味ある寄り道時間として、未体験の方にもお勧めしたい気持ちです。

以上で3回に渡る連載「ケーブル修理、大失敗の末に」は終了です。鶴淵さん、ご指導ありがとうございました。

 【ご案内】X(twitter)にて記事の新着をお知らせしています。 https://x.com/jazzguitarnote/

One comment to “ケーブル修理、大失敗の末に ❸再修理”
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