ケーブル修理、大失敗の末に ❶部材と道具

昨年2023年の暮れに、新しくアンプを買いました。ワクワクしながらギターを繋いでみたら、とてつもないノイズが。期待が大きかっただけにハズレアンプを掴んでしまったか?!と崩れ落ちそうになったんです。 

まさかと思ってケーブルを差し替えたら、ノイズが収まりました。そして、そのノイズの原因となったケーブルは、以前、記事用に自作したソレでした。 

過去記事「断線ケーブルを処分する前に」 

普段、セッションやライブで使う本番用には、ケーブル(2本組み1セット)を2セット用意していて、それとは別に自宅練習用のケーブルセットを使っています。練習用と本番用を分けているのは、本番用セットには余計なプレッシャーやリスクを掛けたくないから、という理由です。

その家から持ち出すことのない練習用ケーブルで音が出なくなり、見様見真似でハンダの修理に手を出してみたら(前回記事)、案の定、今回のような有り様(再びトラブル)です。そもそも自分の修理スキルは信用していませんでしたが、それにしても、ここまであからさまに結果に出なくても良いじゃないですか。もう自分だけで修理する気力すらありません。 

■そうだ。プロに相談しよう 

ケーブルも楽器の一部なので、丁寧に気を配りたいところ。使い手として、原理や仕組みを知り、多少なら自己解決できることは、手を出して意味のある範疇です。しかし、ケーブルは底無しの世界、行き過ぎの寄り道は危険を伴います。間違っても、ギター演奏に注ぐべき時間や気力を奪われないようにしなければなりません。 

こんな時は、その道の達人に相談するのが一番です。今回、横浜でリペアのお仕事をされている045guitarsの鶴淵さんにご相談をお入れしたところ、ご多忙にも関わらず、ケーブル自作の面白さ・奥深さを伝えられたらと、取材のご協力を快諾くださいました。

■今回の講師:045guitars 鶴淵さん

045guitars 鶴淵 忠成(つるぶち ただしげ)さん
横浜港南区で産まれ、西区で多感な時期を過ごす。生粋のハマっ子。
17歳でベースを手にし、大学を卒業後、IT 企業に就職しつつ、現在に至るまでベースをメインの楽器としてセッションやバンド活動にいそしむ。平行して、音響やレコーディングのエンジニア、ギター、ベース、ウクレレのメンテナンスに携わるも、体系的に基礎から楽器の構造と製作を学ぶため、大手楽器メーカーの主宰するギター製作学科で2年半に渡り楽器の製作に没頭。思うところあり会社員生活に終止符を打ち、エレキギターとベースの個人メーカー設立を目指し、横浜市中区にリペア工房を併設した楽器店を開店する。約3年半の営業を経て、コロナ渦の真っ只中に、店舗を閉店。現在、自社ブランドでの楽器製作を行うべく、横浜市内に製作工房を準備中。 

記事は❶部材と道具、❷お手本、❸再修理、の3回の連載で構成します。

それでは鶴淵さん、宜しくお願いします。 

線材(1)1芯と2芯

鶴淵です。コロナの影響もあって、店舗は閉めてしまい、新規受付はやっていないのですが、ギターを中心に楽器のメンテナンスを行なっています。ノウハウについては専門の学校で学びましたが、学校で学ぶこと以上に、仕事としてお受けしてきた経験から学んだことが大きい気がします。やはり緊張感が違いますから。今回は、そんな私の経験の中から学ばせて頂いたエッセンスをお伝えできたらと思います。宜しくお願いします。 

まず線材から見てゆきましょう。線材には、主に1芯と2芯があります。基本的にギター用としては1芯あれば十分で、2芯タイプはギター用にも使われますが、本来はマイクや音響機器との接続などに使用されます。 

2芯タイプは、バランスという転送の仕方をしていて、このケーブル(上写真)では、青(右)がホット、透明(左)がコールド、シールド線の部分(茶色の縮毛状の束)がグランドというように、3つの線を使って信号を通す作りになっています。透明な線(中2本)は強化材的なものです(電気は通らない)。マイクケーブルは、その構造によってノイズが乗りにくい仕組みになってるんですけど、ギターの場合はホットとグラウンドだけなので、1芯で足りてしまう訳ですね。 

なので、2芯の線材をギターのシールドとして使用する場合は、芯線2本を束ねるか(下写真)、片方を切ってしまう処理になります。 

今回、2芯シールドの例として手持ちの線材から3種類ピックアップしてご紹介したいと思います。

・NEO by oyaide QAC-222(外皮が赤 / 2芯) https://amzn.to/3InSxqd

・MOGAMI 2549(外皮が黒 / 2芯) https://amzn.to/49Xtd6i

・BELDEN 8412(外皮が青 / 2芯) https://amzn.to/4bXRjzq

線材(2)シールドの編み方 

信号が通る外側の方をシールドと言います。主に、編組と横巻きの2タイプがあります。 

・NEO by oyaide QAC-222(外皮が赤 / 編組シールド) https://amzn.to/3InSxqd

・MOGAMI 2549(外皮が黒 / 横巻きシールド) https://amzn.to/49Xtd6i

・BELDEN 8412(外皮が青 / 編組シールド) https://amzn.to/4bXRjzq

1)編組シールド 

銅線をクロスして編み上げるようにシールドを作るやり方で、適度な柔軟性と強度が期待できる編み方です。 

2)横巻きシールド 

銅線を1列にぐるぐる巻き付けてシールドを作るやり方で、編組シールドより柔軟で端末加工もやりやすい編み方です 

初めての自作にオススメの線材としては、こちらでしょうか。

 ・MOGAMI 2524(ケーブル径6ミリ / 1芯シールド / シールドは横巻き)https://amzn.to/3UWiaWD

外径6ミリは一般的なシールドケーブル、カナレ LC03 シリーズなどと同じです。シールドが横巻きなので、末端処理の際に編組シールドよりほぐしやすいです。

プラグ(1)標準的な構造タイプ

プラグは、ケーブルのシールドを「スリーブ」という手前の受けとなる部分に、芯線を「チップ」という部分に、ハンダ付けします。

(参考:下写真)「スリーブ」下部の横に長い底部分。このプラグは真ん中に、くの字の突起あり。「チップ」右上から出ている短いプレートのもの。このプラグは先端に穴が空いている。

標準的な構造のものとして3ブランドを挙げておきます。線材を金具でかしめるタイプですね。 

・SWITCHCRAFT スイッチクラフト(280) ※写真上段

・CANARE カナレ(F-15 シリーズ)※写真中段

・AMPHENOL アンフェノール(ACPM シリーズ) ※写真下段

この3種は、かしめの形状こそ違いますけど、基本的には内部は同じ仕組みです。ケーブルをスリーブに乗せて、かしめの金具を両側からラジオペンチなどで締めて固定します。 SWITCHCRAFT 280 やCANARE F-15は、どちらも、必ず一度は目にしたことがあるであろうド定番のプラグです。内部の構造はほぼ同じなので、製作の難易度に違いはなく、お好みで選んでいただければよいと思います。例えば、片側に SWITCHCRAFT 280、もう片側に CANARE F-15 を使ってみるのも面白いかもしれません。 

その他のプラグとしては、ギターやベースのケーブルで有名なプロビデンス(上写真、下)や、秋葉原にあるトモカ電気というパーツ屋さんが出してるプロオーディション(上写真、上)のプラグなどもあります。市販のケーブルではあまり使われていないと思いますが、私は割とプロオーディションが好きです。 

プラグ(2)独自の構造をもつタイプ(内部に締め付けチャック) 

 独自の構造を持ったプラグとしては2ブランドを挙げておきます。 

・NEUTRIK(NP シリーズ) ※上写真(4パーツで1組)

・MONSTER CABLE ※写真に入っていません

特徴としては、標準的な構造のプラグならば金具(爪)でケーブルをかしめている部分が、ノイトリックではチャック構造になっている点です。ブッシングを締めていくと、チャックが自然にすぼまって、3箇所の爪が線を掴んで、がっちりケーブルをホールドする仕組みになっています。

シールドを載せる部分が短く(下写真)、細かい作業になるため、初心者は戸惑うかもしれませんね。

ただ、標準的なプラグとは固定の仕方が違いますが、他のどのプラグよりもケーブルをしっかり固定できる作りかと思います。標準的なプラグでは、引っ張った時にハンダ付けしたところが断線することがありますが、そういう引っ張りに関してはノイトリックなどチャックで固定するタイプが強いと思います。 

プラグ(3)L字 

オーソドックスなL字プラグは、スイッチクラフトでしょう(下写真右端)。店頭に並んでいるベルデンなどのケーブルで使われています。中の仕組みはストレートタイプと大体同じなので、ハンダ付けの難易度はあまり変わらないです。

カナレも最近、L字プラグを出しました。FシリーズのF-15Lというプラグですけど、基本的に構造はスイッチクラフトと同じです。 

ノイトリックは、ちょっと構造が特殊です(上記写真中央、下記写真)。他のプラグと比べると、チップの部分が縦になっているので、多少ハンダ付けがしにくいかもしれません。 ノイトリックはL字でも、ストレートと同じように、締めると自動的に爪がケーブルを固定する形になっているので、そこが他ブランドとの差別化ポイントだったりします。 

シールドは手前の受け皿的な部分にハンダ付けすることになります(下写真、ニードルが指している場所ではなく、受け皿部分の中央に見えるスキージャンプ台のような形をした部分)。こちらはチップの部分ほど違和感はないと思います。

プラグ(4)ハンダを使っていないプラグ 

ハンダを使っていない(=ソルダーレス)のケーブルが出回っています。プラグに線を差し込んで、ネジを閉めるとハンダ付け不要で電気が通るっていうタイプです。 

パッチケーブルとかは作りやすくていいかなとは思います。 

ソルダーレスで、古くからあるのはGeorge L’s ( ジョージエルス )というブランドですね。結構、ジャズ系の箱物ギターを弾く方で使われてる方も多い印象があります。 最近だとオヤイデや Free The Tone もソルダーレスを展開しています。最近のメーカーは、ソルダーレスについて研究し尽くしている感があるので、一昔よりは構造的にも音質的にも進化していると思います。 

ケーブルの太さとプラグ

ケーブルの太さとプラグとの相性があります。ケーブルの径とプラグの径が合っていないと、太いケーブルはそもそも入らないですし、逆に細すぎるとケーブルがスカスカになってしまい、プラグのケーシングのところで折れ曲がって外皮が破れたり内部で断線してしまうような事態が生じます。

CANARE や SWITCHCRAFT だと、大体7mmぐらいまで入ります。CANAREの F-15 は自社のGS-6というケーブルに最適化されてるのだと思いますが、基本はケーブル径6mmが適合します。ただスプリングの部分は取れるので、はずせば7mmぐらいまで入るはずです。 

プラグとケーブルの径については、ノギスで測ることをオススメします。ノギスは100均で手に入るモノで構いません。 なお、ケーブルの太さによって、確かに音は変わるんですけど、太い方が良い、細い方が良いというものではありません。好みにも拠るので、実際に音出してもらうのが一番いいかなとは思います。 

ハンダゴテ(1)温度調整機能のついたセラミックヒータータイプを

続けて道具類を見てゆきましょう。まずはハンダゴテです。 コテにはセラミックヒータータイプと、ニクロムヒータータイプがあります。

私は慣れもあって使いやすいんでセラミックヒータータイプのものを使ってます。このタイプで温度調整機能ありっていうのが割と多くなってきてますね。 ハンダを溶かすのに必要な温度って一応決まってるんですけど、ニクロムヒーターのタイプだと必要以上に温度が上がったりして、慣れないと、ハンダ付けしにくかったりするケースがあるんです。

セラミックヒータータイプの温度調整機能がついてるものは、ハンダを溶かすのにちょうどいい温度で常にコテ先を保っててくれます。 セラミックヒータータイプでも、そんなに値段高くなくて、3000円から5000円ぐらい。私のはコテと温度調整機能が付いている本体が分かれているタイプなんですけど、大体350℃から360℃で、コテ先の温度が一定になるよう設定しています。 

なお、ニクロムヒータータイプって、当ててる時間が長くなって温度が高くなったりすると、ハンダを流し込んだ時に中に入ってるヤニが蒸蒸して、全然ハンダがつかなかったりといった懸念もありますね。 

(参考)白光 セラミックヒーター式 温度制御はんだこて https://amzn.to/3wNIWWU

ハンダゴテ(2)コテ先はペンシル型よりマイナスドライバー型を

私は、コテ先の形状がマイナスドライバーのタイプが好きです。3mmぐらいの幅ですかね。絶対これがいいっていう話じゃないんですけど、例えばこのシールド線をつつけるところにハンダ付けする時に、面で当てて温められるんです。鉛筆の形状をしたペンシルタイプだと、面じゃなくて点で当たっちゃうんで、熱が伝わりにくいんです。

ハンダで細かい作業をするイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、ケーブル作ったり、ギターの中の配線やったりっていうのは、プリント基盤の配線と違うので、ピンポイントに点で狙うっていうことが殆どないですから。 

シールドの話からそれちゃいますけど、ボリュームとかのポットの後ろに、グランド線をはんだ付けする時は、ポットの後ろ側をがっつり温めないといけないので、そのようなときは面で温められた方がはんだを乗せやすいです。

(編集者注)出回っているハンダコテのコテ先はペンシル型が多いようなのですが、コテ先だけでも販売されていて、マイナスドライバー型のコテ先に取り替えることができるようです。ハンダコテhttps://amzn.to/3wNIWWU + コテ先 https://amzn.to/3Tl6w6v

ハンダゴテ(3)出力は40W 

シールドの加工をやるんであれば、20だと弱いし60だとちょっと使いづらいかなっていう気もするんで、やっぱ40W辺りじゃないですかね。 60Wでも、もちろんいいんですけど、やっぱり必要以上に加熱しちゃったりするのを考えると、そこまでパワフルじゃなくてもいいかなと。

例えば編み込んだシールドをプラグの金具にはんだ付けする時など、がっつりハダごで熱を加えないと、ハンダが流れない、乗らないっていうのもあったりするんで、そういう場合は、熱をたくさん加えるために、40よりも60Wの方がいいといった場合もありますけど。やっぱり40Wぐらいでいいのかなと思います。 

ハンダ(1)初心者は鉛入りハンダを使う

ハンダも色々と種類があって「ハンダで音が変わるんで、全部ハンダを統一して、ギターの中の配線やってます」とかそういう人も少なからずいらっしゃいます。ハンダは踏み込むと沼になる可能性があります。 

あえて言うなら、ハンダに慣れていない方は、絶対に、鉛フリー(=鉛が入っていない)は使わない方がいいです。鉛が入ってるハンダよりも、入っていないハンダは溶ける温度(融点)が高く、溶けにくい。さらに鉛が入っていないので、流れにくいんですね。言い換えると、馴染みにくいということです。なので、慣れていない方には鉛フリーはお勧めしないですね。 

鉛フリーというのは環境と人体に配慮されたもの。RoHS指令(ローズ指令)という規格があって、海外(ヨーロッパなど)に電子機器を出荷輸出する場合は、鉛フリーで作られていないと、輸入しちゃいけないし、販売しちゃいけない、といったことがありますね。なので海外に楽器を出してるメーカーさんは、ギターの内部の配線も全部、鉛フリーを使ってます。普通に鉛が入ってるハンダで慣れてから、鉛フリーを試していただくのがいいと思います。 

ハンダ(2)フラックス 

ハンダ付けをする前に塗ることで、ハンダが乗りやすくなります。一般的なはんだは「ヤニ入りハンダ」と呼ばれ、はんだ線の中心にフラックス(ヤニ)が練り込まれています。フラックス(ヤニ)ははんだ付けする箇所に付着している酸化物や汚れなどを取り除いて、はんだが乗りやすくなる作用があるんです。失敗せず綺麗に仕上がるように私はフラックスを使うことが多いです。 

(参考)HOZAN H-722 https://amzn.to/4bZterZ

収縮チューブと編組チューブ 

 (1)収縮チューブ

熱を加えるとキュっと収縮するチューブです。大きさは色々あって、半田付けを全部し終わった後に、チューブをかけて熱風を当てるとキュっと縮んで、保護をしてくれます。 なくても困るもんではないんですけれども、保護する意味合いは勿論、見た目的な仕上げの加工として使われます。 

 (2)編組チューブ

ほとんど見た目だけの話なんですけど、ケーブルの色を変えることが出来ます。ちょっと手間が掛かりますがケーブルをチューブに通すだけです。「全部黒のケーブルでつまんねえな」とかいう時に「ギターのボディ赤だし、じゃあシールドも赤にしちゃえ」ということで、赤いチューブを被せると、少し暗めの赤にすることが出来ます。 

道具(1)ケーブルストリッパー

これがあると綺麗に被覆が剥けます(下記写真右側)。私は、これ使わないと、もう仕事できません。カッターで線を剥くのは、ここ10年以上やってないです(笑)。 何種類か径の異なる穴が空いているので、適合する穴にコードを挟んでもらって引っ張ると、もう被膜が剥けてるんです。ほぼ失敗なくできます。 

カッターで処理すると、毛が抜けるみたいに何本か抜けちゃったりするんですよね。やっぱり仕事でやる時には、そういう状況にはしたくないので。まあ楽ですし正確なんで、やっぱケーブルストリッパーは愛用してます。 

(参考)VESSEL ワイヤーストリッパー https://amzn.to/3wzb8wN

ケーブルの外被を剥く専用ストリッパー(上下写真)も重宝します。ケーブルを挟むと、バネがの力で刃がケーブルに適度な深さで入り、グルグルと回すと被膜だけカットしてくれます。

(参考)日本製線 ケーブル皮むき器 https://amzn.to/3UWpmC7

道具(2)ケーブルテスター

ケーブルが断線してないかどうかを調べる機材ですね。みんな大好きオヤイデでも売ってますけど、これは3000円ぐらい。ケーブルチェックするのに特化したやつです。

(参考)https://amzn.to/3uVjyOA 

いろんな種類のケーブルを挿せるようになっていて、何処と何処の端子が繋がっているか分かるので、断線している箇所も調べることができます。100均でも売っている普通のテスターでも、同じ確認はできますが、もちろん、専用の機械の方がてっとり早いですけ。やっぱり、ちゃんとした道具があると、手間をかけずに正確に作業できますね。

道具(3)ハンダ吸取線

修理する時に、ハンダが残っちゃってて、古いハンダを取りたいなっていう時はハンダ吸取線っていうやつを使います。特に古いハンダは酸化しちゃってたりすると、新しいハンダ付けの邪魔になるので取ってしまいます。

(参考)https://amzn.to/3Ijotfi

道具(4)マルチクランプ

作業台です。オヤイデでも売ってます。めっちゃ高いものでもないですし、これ便利なんです。昔は自作してたりもしてたんですけど、全然こっちの方が汎用性があるんで、今はもうこれなしじゃちょっと辛いなっていう感じです。 

(参考)goot マルチクランプ https://amzn.to/49z3sZT

ケーブルの調子が悪いときの確認手順

調べ方としては2段階あります。 

 (1)本当に切れているのか、何処が切れているのか

まず、ケーブルテスターや普通のテスターを使って、本当に切れてるかどうか、どこが切れてるのかを確認します。 切れ方によっては、テスターの針は触れるけれども、線を動かすと音が出たりたり出なかったりします。接触が悪い状態ですね。そうなると、目で確認していくしかありません。

 (2)見て確認する

よく切れるのは、やっぱり芯線の部分です。目視で明らかに切れてる場合は分かりやすいですけど、そうじゃない場合は、細いドライバーのようなもので線をつついてみてください。グラグラしていたり、切れかけていることがわかることがあります。

もう1つ見るポイントとしては網線(シールド)の部分。シールドの部分が根元の辺りで切れてるケースです。まず目視で切れていないか確認して、よく分からない場合は同様に細いドライバーのようなものでつついてみて、芯線同様に確認してみてください。

あと、芯線とシールドがショート(接触)してるケースがあります。シールド ケーブルを長く使っているうちに、はんだ付けされている箇所がほつれて、導線がばらけて髭みたいに飛び出てしまい、芯線やシールドに触れて音が止まるんです。余計な線が出ていないか、端子などに触れてないか、というのも確認のポイントです。 

 (3)ケーブルが途中で切れている場合

ケーブルの内部が途中で切れてることは滅多になく、プラグ部分がほぼ100%故障の原因です。万が一、線の途中で切れているときは、例えば、何か重いものがケーブルに乗っちゃった場合などで、その際は明らかに外にダメージを受けた痕跡が残ります。自然にケーブルの途中で切れるってことはないと思います。 

プラグを締める時は、先端が一緒に回らないよう握っておく

プラグの締めが使っているうちに緩んでしまった場合。安易に締めると、ケーブル自体を捩じ切ってしまう方がいらっしゃいます。標準的な構造のものであれば、プラグ側を持っていただいて回すことで防ぐことができます。

ケーブルがプラグにピチピチに入ってる場合、回した時に一緒についてきちゃう可能性があるとは思いますが、市販のケーブルだと、そこまでのものは少ないと思います。 以上が部材と道具の説明になります。後は実践編として、実際に作業を見てもらいながら説明してゆきましょう。 

前編を終えて(編集者から) 

 連載「ケーブル修理、大失敗の末に」の前編❶は以上です。045guitars鶴淵さんに、部材や機材などを中心に、基本的なレクチャーを頂きました。 部材や道具を選ぶところから、如何に自分が知識不足で失敗をやらかしていたか、思い知らされます。鶴淵さん、お忙しいなか、ありがとうございます。続編も宜しくお願いします。 

【ご案内】X(twitter)にて記事の新着をお知らせしています。https://x.com/jazzguitarnote/

2 comments to “ケーブル修理、大失敗の末に ❶部材と道具”
  1. Pingback: ケーブル修理、大失敗の末に ❷お手本 | ジャズギター寄り道ノート

  2. Pingback: ケーブル修理、大失敗の末に ❸再修理 | ジャズギター寄り道ノート

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です