国産フルアコ調査

国産フルアコと言っても、世界の楽器店で手に入るブランドモノから、1点限りの作家モノまで、多種多様です。厳密には国産ギターとは言わないのかもしれませんが、海外ブランドへのOEM供給も本数としては多そう。

軽く調べてみたのですが、日本のギターが、世界でどれだけ流通しているかは、政府統計等からは分かりませんでした。ただ、丁寧なモノづくりに、一定の評価があるのは確か。地方で丹精込めて作られたフルアコに、海外からも引き合いが入っているような話を聞くと、ひっそり感謝・応援したくなります。

Gibsonに代表される、世界的に著名なブランドには、評価されるだけの価値がある。それはそれとして、日本ならではのモノづくりが活きる世界として、国産フルアコがもっと盛り上がってくれたら、なんだか楽しい。嬉しい。

ネット検索してみると、国産フルアコのまとまった情報が少ないことが分かります。まずは存在や価値が認知され広まっていかないと、市場の維持も難しく、全体の質も高まっていかない。そんなことで、この寄り道サイトにて、ささやかながらリストをまとめ、ゆるりと更新してゆきたいと思います。

情報収集はネット検索頼み、網羅しきれていない前提。未掲載のブランド/作家、情報の過不足・誤記等ありきのスタートです。リストの充実に向け、情報提供(自薦他薦問わず)いただけば幸いです。

<リスト化にあたって>
(2022/06/05改訂)北からエリア毎、都道府県順の掲載に変更しました。
(エリア内は県庁所在地の緯度順。同じ都道府県内は五十音順)
・作家個人名の場合、敬称略。
・国産メーカー/工房が発売するギターに限定。製造は海外のものも含む。
・対象はフルアコのみ。ボディ内部が全て空洞(ホロウ構造)。
・情報集約まで。論評/ランク付けなし。
・掲載許可を頂いているもの以外は、写真の使用掲載を控えます。
(素材お持ちの方いらっしゃいましたら、ご提供お願いします)
・掲載項目「HP(リンク)」「代表機種」「特徴」「使用アーティスト(履歴含む)」「備考」
・最終更新2022/06/05

【北海道東北】

◼️小田島 尚人ODASHIMA GUITARS(岩手県)→HP
・代表機種:全てご注文頂いてのオーダーメイドで製作
・特徴:自ら山に入り、一本の木を切り出すところから始まるギター作り
・使用アーティスト(履歴含む):
・備考: (参考動画1)

【関東】

◼️松本 貴幸 ビータギタラーズ(栃木県栃木市)→HP
・代表機種:「ミリンジェ(Miringe)」
・特徴:
・使用アーティスト(履歴含む):
・備考:

◼️TR music(千葉県柏市)→HP
・代表機種:「T50-16」
・特徴:
・使用アーティスト(履歴含む):
・備考:

◼️ウォーキン (渋谷)→HP
・代表機種:「Archtop Tribute」「Westville」
・特徴:国内随一のジャズギター専門店
・使用アーティスト(履歴含む):岡安芳明、馬場孝喜、渡辺香津美、Kurt Rosenwinkel
・備考:寺田楽器、 (参考動画1)

◼️ギタープラネット「Nuages(ニュアージュ)」→HP
・代表機種:「SC15S/ST-PT」「DC16S/ST-PT」
・特徴:国内老舗ギター工房とのコラボ
・使用アーティスト(履歴含む):
・備考:

◼️小林 一三(いちぞう)(東京都町田市)
・代表機種:「JAZZ」
・特徴:
・使用アーティスト(履歴含む):
・備考: (参考記事1) (参考記事2)

◼️惠島 俊裕 EJIMA ARCHTOP GUITARS(神奈川県大磯町)→HP
・代表機種:Model 15、Model 16、Model17
・特徴:本体の部材からウッドバインディングに至るまで板材から制作
・使用アーティスト(履歴含む):松原慶史
・備考:

(C)EJIMA ARCHTOP GUITARS

◼️熊野 正 KUMANO GUITARS(神奈川県相模原市)→HP
・代表機種:KUMNO17
・特徴:
・使用アーティスト(履歴含む):
・備考:

【北陸・中部】

◼️辻 四郎(富山県南砺市)→HP
・代表機種:主としてカスタムオーダー製作。オリジナルモデルあり。
・特徴:材質を選りすぐった単板構造。半プレス工法と手加工による調整仕上げ。独自のブレイシング調整。
・使用アーティスト(履歴含む):内田勘太郎(憂歌団)
・備考: (参考動画1) (参考動画2)

(C)辻四郎ギター工房

◼️鷲見 英一「Sumi工房」(長野県丸子町)
・代表機種:
・特徴:
・使用アーティスト(履歴含む):
・備考: (参考動画1)

◼️ティーズギター「T’s Guitars」(長野県塩尻市)→HP
・代表機種:フルアコ「Arc-Hollow」¥510,000(税別)
・特徴:主にカスタムODによるハイエンドギター。
・使用アーティスト(履歴含む):
・備考: (参考記事1)

(C)T’s Guitars

◼️ディバイザー(長野県松本市) →HP
・代表機種:SeventySeven Guitarsブランド「HAWK(ホーク)」 シリーズ
・特徴:
・使用アーティスト(履歴含む):
・備考:いずれも生産一時停止中(20210601現在)

(C)ディバイザー

◼️フジゲン(長野県大町市)→HP
・代表機種:「Masterfield Series」¥285,000-(税別)
・特徴:フレットを円弧状に打つ、サークル・フレッティング・システムを採用。
・使用アーティスト(履歴含む):
・備考: (参考動画1)

◼️Rossi Guitars(岐阜県岐阜市) →HP
・代表機種:「Gigfit」「Transjazz」「Primejazz」
・特徴:
・使用アーティスト(履歴含む):
・備考:

◼️東海楽器(静岡県浜松市)→HP
・代表機種:「FA245」
・特徴:オリジナルPAF-Vintage MK2搭載。パーツにまで拘った国産フルアコ。
・使用アーティスト(履歴含む):
・備考: (参考動画1)

(C)東海楽器製造

◼️荒井貿易「Aria Pro II 」(愛知県名古屋市)→HP
・代表機種:「FA-2000」¥374,000(税込)、「FA-1000」
・特徴:国産オリジナルフローティングピックアップ搭載
・使用アーティスト(履歴含む):
・備考: (参考動画)

◼️寺田楽器(愛知県蟹江町)→HP
・代表機種:「Rozeo」
・特徴:ボディサイズの小さいフルアコ。オール合板。
・使用アーティスト(履歴含む):
・備考:1916年創業。エピフォン、ディアンジェリコ、モーリス、サドウスキー、アイバニーズ(ホローボディシリーズ廉価版。1987-1997年)など、OEM実績多数。 (参考動画1)  

◼️フレックス Artex(愛知県春日井市)→HP
・代表機種:「ATX-DT」「ATX-D&J」
・特徴:山岸潤史両氏のアイデアにより企画開発
・使用アーティスト(履歴含む):David.T.Walker、山岸潤史
・備考:

◼️星野楽器「IBANEZ」→HP
・代表機種:3シリーズ「ARTSTAR」「Artcore Expressionist」「Artcore」
・特徴:豊富なラインナップ。
・使用アーティスト(履歴含む):George Benson
・備考: (参考記事1) (参考動画1) (参考動画2)

【関西】

◼️小坂弦楽器工房(京都府京丹波町)→HP
・代表機種:(写真左側)AT-50 、(右側)AT-40
・特徴:
・使用アーティスト(履歴含む):
・備考:

(C)小坂弦楽器工房

◼️c.s.beth シーエスベス(大阪府) →HP
・代表機種:L16-BCI
・特徴:
・使用アーティスト(履歴含む):
・備考:

◼️stringphonic(大阪府) →HP
・代表機種:LeRoy
・特徴:
・使用アーティスト(履歴含む):
・備考:

(C)stringphonic

◼️西垣 祐希 Style-N Nishgaki Guitars(兵庫県三木市)→HP
・代表機種:「Arcus Archtop」
・特徴:木の温もりや肌触り、共鳴を意識したラッカーフィニッシュ。
・使用アーティスト(履歴含む):小沼ゆうすけ、菰口 雄矢、井上銘
・備考: (参考動画1) (参考動画2)

【中国・四国・九州】

◼️山岡 則正 Yamaoka Guitars(岡山県倉敷市)→HP
・代表機種:「NY-5」「D-50」「JG-1」
・特徴:演奏家の「らしい音色」「独自の世界観」をサポート。
・使用アーティスト(履歴含む):竹中俊二、田辺充邦、布川俊樹、渡辺 香津美
・備考: (参考記事1) (参考動画1)

<編集者から>
実際に購入を検討する場合、個体差もあるので、ネット等で下情報を仕入れた後は、楽器店に足を運び、出会いに期待するしかありません。個人作家の場合は、提供される品質を信頼して、予約注文というケースが多いのかな。

購入に至るまでには、それなりに手間や熱意が必要。財布/時間/スペース/同意など、色々と制約あって、簡単に買い足せるモノでもありませんが、購入を前提にした探索や試奏には、それだけでもワクワクしてしまいます。

余談ながら、加瀬倉庫のCMでギター弾いている南部なおと(南部直登)さんという大先輩ギタリストがいらっしゃいます。所蔵ギター130本!海外のビンテージギターも数多く所有されています。そんな南部さんは、Gibsonなどのビンテージ収集を極めたあと、ジャパンビンテージを集めているとか(セッションにもIbanezのGBをお持ちになってました)。
http://nanbunaoto.com/player.html

最後に。今回、申し訳なく思うのは、私が全く触ったことのないギターばかりで、感想すら書けない無責任な記事だということ。機会に恵まれたら、個別の紹介記事とさせてください(デモ機の貸出も大歓迎です)。いつかオーダーメイドギターも買いたいなあ。暫くは宝くじで、夢だけでも買っときますか。

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