ERNIE BALL VP JR. ペダル改造

久しぶりの「改造」シリーズ。今回はボリュームペダルです。かつて佐々木秀尚師匠に、ボリュームペダルの重要性を教わりましたが、足技の未熟な私は、まだ苦手意識があります。

ギタリストに限らず演奏者は、会場環境やパート構成、曲の組み立てなど考慮し、音量調整をおこないます。音量は演奏の重要な要素であり、私たちは細心の注意を払わなければなりません。

まずはストロークやピッキングによる音量コントロール。音量だけでなく表現力が如実に出る部分なので、奥が深く、永遠の課題だったりします。

次に、ギターに付属するボリュームツマミ。アンプ直結の場合は「直結することの潔さ」に美学があるので、ボリュームツマミだけが頼りです。ギター側をフルテンにしてもなお、音量が足りない場合は、アンプのツマミを上げることになります。

その次に、歪みやブースト系のペダル。ジャズのプロギタリストも含めて、クリーンブースターを噛ませている方、結構いらっしゃいます。出る時と引く時の音量調整に加え、太さなどの色を加えることができるのがメリットです。

そしてボリュームペダル。

◼️ボリュームペダルを使うメリット

ボリュームペダルは図体がデカい。重い。音質の劣化も避けられない。正直なところ、出来れば持ち込みたくないくらい。でも大事なパーツです。

最大の特徴は、ペダルの掛かり具合を変えることなく、全体音量を調整できること。歪みペダルやワウなど多くのペダルは、入力の大きさによって、効き具合に影響が出てしまいます。ボリュームペダルを活用することで、そうした懸念が払拭できます。

付加要素としては、足で調整するので、演奏しながらの臨機応変な音量調整が可能です。

◼️サイズ選びは慎重に

最近はミニマムサイズのペダルが全盛です。奮発してミニマムサイズのボリュームペダルを半年使ってみましたが、結局、サイズを戻しました。ペダル操作に余裕がないので、小さいペダルの踏み込み幅だと微妙な調整が出来なかったんです。

ネットでは「ミニマムサイズも慣れれば大丈夫」というコメントが散見されるので、私の足技力の問題だと思います。ミニマムサイズのボリュームペダルを検討されている方は、購入前に楽器店などで実際に試してみることをオススメします。

◼️ペダルの配置位置

・ギターの直後にボリュームペダルを繋いでしまうと、ギター付属のボリュームツマミを回すのと変らず、後に続くペダルの効き具合に影響します。意図して使うならば別ですが、メリットが活かせず勿体ない。

・空間系ペダルの残響音に配慮し、空間系ペダルの前に繋ぐ方は多いようです。

・私は、ボードの途中に噛ませると収まりが悪いので、ペダル配列の最後に繋いでいます。ミニマムボリュームを付けることで(後述)ブチッと音切れする心配が軽減されます。

■改造について

さて前置きが長くなりましたが、いよいよ改造についてです。対象は、定番ながら、ちょい小さいサイズのERNIEBALL VP JUNIOR 250Kです。

(1)ミニマムボリュームの追加

ボリュームペダルを扱っていて、ほんの少しボリュームを下げたいのに、足技が未熟で、音量が意図以上に小さくなってしまうことがあります。このような配慮からミニマムボリュームを増設(改造)しました。

追加前

追加後

最小レベルを設定することで、より細やかなボリューム調整が可能になります。私のような足技に自信のない方にはオススメです。

(2)配線の取り替え

改造をお願いした工房(最下段に連絡先掲載)の齋藤さんより、配線取り替えのご提案を頂き、お願いすることにしました。

下記、齋藤さんから頂いた説明です。
・ボリュームペダルというのは基本的に音質が劣化する方向にしか働かない。その劣化を最低限に抑えるのが目的。
・配線は基板を取り外して、ポイント・トゥ・ポイント配線にすることで、ハンダの使用量を減らすことができ、かつプリント基板の銅板を通さずに済むといったことで音質劣化を軽減する。
・配線材として、信号ラインにはWestern Electricのビンテージ単線とモガミの撚り線をパラレルに、グランド配線にはモガミの撚り線のみを使用。ノーマルの配線材より断面積が倍ぐらいの太い線に変更する。

(3)ジャック位置交換(Output←→Tuner)

ERNIEBALL VP JUNIOR 250Kの大きな欠陥は、Outputジャックの位置が低すぎることです(私的な話ですが)。ボードのヘリに配置すると、シールドがボードの縁にかかってしまう。そして私はL字でなくストレートのケーブル(シールド)を使いたい。そんな訳でOutputとTunerの上下ジャック位置を変えてもらいました。

改造後でもケーブルがボード縁高さギリギリ


余談ながら私はチューナーを配列のドアタマに組み込んでいるので(曲間にONすると音がシャットアウトされる)、ボリュームペダルのチューナーアウトを使いません。バッファーを組み込んでいない状態で、パラってチューナーアウトすることによる音痩せを指摘される方もいますが、実際はどうなんでしょうか。

(4)ブースターの組み込み

最近はボリュームペダルにブースターを組み込んだモデルも出ています。そうした改造をしてくださる工房もあります。ボリュームペダルの音質劣化は昔から指摘されるところですが、ブースターを組み込むことで軽減されるとか。
興味津々ですが、台所事情により、今回は依頼していません。出世したら購入したいと思います。

■ボードの収まり方

なかなか良い感じで収まりました。

■改造してくださった工房(問い合わせ先)

今回は以前にMS-50Gも改造くださった齋藤さんにお願いをしました。ご興味ある方は問い合わせてみてください。
424-0922 静岡県静岡市清水区日の出町1-43 1F
SPI 齋藤和徳さん
soulpowerinstruments@gmail.com
※齋藤さん。今回もお世話になりました。丁寧なお仕事、ありがとうございます。

■その他、ボード遊びや改造をテーマにした他記事もどーぞ。

ボード試行錯誤 vol.2 材料費¥1000で遊ぶ
https://jazzguitarnote.info/2019/02/19/board-vol2-cost1000yen/
ZOOM「MS-50G」改造
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ZT Lunch Box Jr.改造
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