鎌倉/逗子/葉山❷鎌倉ジャズの中心地

横浜の自宅から電車に乗って40分チョットということもあり、年に何回か鎌倉まで散策に出かけます。ただ今回ご紹介するダフネさん(以降、敬称略)には、これまでご縁がなく、お伺いしたことがありませんでした。

ジャズクラブ「ダフネ」
(ダフネとはギリシャ神話の聖霊だそうです。詳しい経緯はお店まで)
 https://www.jazz-daphne.jp/
 鎌倉市小町2-10-10 T.I.ビル3F
 0467-24-5169

私のなかでは、鎌倉ジャズの中心地と言えばダフネ、という認識です。とはいえ、私が語っても説得力が無いので、鎌倉生まれ・鎌倉育ちのギタリスト佐津間純さんに、ダフネのことを教えてもらうことにしました。

(参考)達人に聞く vol.11 佐津間純さん
 https://jazzguitarnote.info/2020/07/28/satsuma-jun/
 ※プロフィールは本記事下でご紹介

佐津間さん、宜しくお願いします。

◼️鎌倉での少年時代の思い出(@鎌倉)を聞かせてください。

私が生まれ育ったエリアは、皆さんが想像する”ザ・鎌倉”というエリアとは少し離れていて閑静な住宅街でした。自然が多く残っており家の裏には森があり、田んぼや畑もありました。小さい頃はその自然の中を駆け回っていました。

◼️ジャズとの出会い、ジャズに傾倒した経緯は?

高校生の時にジャズを聴いている先輩がいて、その先輩に色々教えてもらいました。鎌倉高校という高校に通っていて、高校の目の前が海だったんです。毎日、海を眺めてボ〜っとしていました。そのボ〜ッとする時間が自分の好きなこと、進みたい道などについてじっくり考える時間になったのだと思います。

(撮影) Jun Satsuma

◼️鎌倉とジャズとの親和性はあるのでしょうか?

都心から遠すぎず、近すぎず、海も山もあり温暖でのんびりとした雰囲気は音楽などの文化芸術を育むにはちょうど良い環境なのかもしれません。

(撮影) Jun Satsuma

◼️ダフネとの出会いは?

高校生の時に初めて行ったジャズクラブです。当時進学を予定していた洗足学園音楽大学の卒業生だったギターの寺屋ナオさんのバンドのライブでした。その時のピアノは富永真紀さん、ドラマーは宮岡慶太さんだったのですが、彼らは僕のデビューアルバムにも参加してもらいましたし、今も僕のグループで一緒にプレイしてもらっています。考えたら不思議な感じです。ジャズクラブ初体験は演奏もお店の雰囲気もおしゃれで大人の雰囲気だなぁ〜と思ったものです。

(C)DAPHNE

◼️その後、ダフネとの関わりは?

アメリカの留学を終えて本格的に日本で演奏活動を始めた当初から出演させていただいています。大変お世話になっています。あとオーナーの息子さんがジャズシンガー牧野竜太郎さんで彼と出身中学が一緒という不思議なご縁があります。彼の方がいくつか先輩で僕が現役の頃はもう卒業されていたので当時は会うことがなかったのですが、勝手に親近感を抱いています。

(C)DAPHNE

◼️出演者や客層、お店の雰囲気などは如何ですか?

ブッキングに関しては、都内や横浜のお店に引けを取らない日本のジャズシーンを代表するような著名なミュージシャンが出演するお店ですし、お食事も美味しい、雰囲気もとても素晴らしいです。ですから、地元のジャズファンのみならず遠方からも鎌倉に遊びに来て夜はダフネに行って好きなジャズを聴く!なんていうことを楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。出演するミュージシャンもダフネ出演を楽しみにしている方多いと思います。

(C)DAPHNE

◼️記憶に残るライブなどありましたら。

ダフネでのライブは毎回印象的で、特に自分のグループでの出演がほとんどだったものですから、毎回信頼する仲間との演奏出来ることを喜びながら、新しい挑戦や失敗を繰り返し自分自身の音楽をどうやっていきたいか?ということを深く考える機会となっていました。

逗子・葉山まで拡げたエリアでのライブということであれば、”朝ジャズ”です。毎回とても新鮮で楽しいライブでした。夜はライブに行けないという方にも足を運んでいただいたり、お子様を連れて聴きに来ていただいたり普通に夜ライブをしているだけでは出会えない方々に沢山出会うことができました。

(参考)鎌倉/逗子/葉山❶朝ジャズのススメ
 https://jazzguitarnote.info/2022/02/07/kamakurazushihayama-1-asajazz/

◼️ギターの成長とジャズクラブとの関係で思うことなどありましたら。

やはり演奏家は人前で演奏していくことで、大きく成長していくものだと思います。そのためには演奏する場所であるジャズクラブが不可欠だと思います。

◼️佐津間純さんプロフィール

1982年10月24日神奈川県鎌倉生まれ。13歳でギターを始め土屋秀樹,道下和彦,岡安芳明に師事。洗足学園大学ジャズコース卒業。バークリー音楽大学卒業。2006年 ギブソンジャズギターコンテスト入賞。2009年 雑誌「ジャズギター」で若手ジ ャズギタリストの一人として紹介、インタビューが掲載される。2010年「佐津間純Trio」でモーションブルーヨコハマに初出演。2012年 第20回日本プロ録音賞ベストパフォーマンス賞受賞。2013年 デビューアルバム「JUMP FOR JOY」をリリース。2015年ベーシスト若林美佐とのデュオアルバム「Weaver Of Dreams」をリリース。2019年 映画”YUKIGUNI”において音楽を担当。現在、東京、神奈川を中心に全国 で積極的な演奏活動を展開している。ジャズギターの王道を行くプレイスタイルとその暖かく美しい音色は老若男女問わず受け入れられている。現在の日本のジャズシーンにおいて最も注目されている正統派ジャズギタリストの一人である。

【ウェブサイトやその他SNSなどのURL】
・ホームページ→ https://junsatsuma.com
・YouTube https://www.youtube.com/channel/UCfYHsH2sJ6lJxGzBhbrx1Ww
・オンラインレッスン→ https://junsatsuma.com/online-guitar-lesson-%e3%81%ae%e3%81%94%e6%a1%88%e5%86%85/
・Twitter→ https://twitter.com/junsatsuma
・Facebook→ https://www.facebook.com/junsatsumajazzguitar

◼️ダフネ初体験の浅利史花さんにも聞いてみました

先月2月27日に、ダフネで開かれていた浅利史花さん出演のライブにお邪魔しました。浅利さんにとって、今回がダフネ初出演とのことで、感想を聞いてみました。

・2/27松山夏子(vib)、浅利史花(g)、香川裕史(b)、ジーン重村(d) ※敬称略

・浅利史花さんプロフィール

福島県福島市出身。5歳頃からクラシックピアノを習う。中学生の時に、姉と兄の影響でロックに興味を持つ。高校生活ではバンドを組むつもりだったが、 進学した高校に軽音部がなかったため、仕方なくジャズ研究部に入部。 そこでジャズと出会い、市内のジャズ喫茶『ミンガス』で聴いたグラントグリーンやジムホールの演奏をきっかけにはまっていく。ジャズギターの王道を行くスインギーなスタイルで、同世代のみならず数々のベテランミュージシャンとも共演を重ねている。


・(参考)達人に聞く vol.13 浅利史花さん
  https://jazzguitarnote.info/2021/05/28/fumika-asari/

1)初めてダフネで出演されての感想をお聞かせください

「私は初めて出演するお店の日は結構構えてしまうというか、緊張してしまうのですが、ダフネの場合はお店に入った瞬間に、『あ、素敵な空間!』と思い気持ちがほぐれました。初めての場所で緊張するのはお客様も一緒だと思いますし、空間って大事ですよね。とても居心地が良く、お料理も美味しくて、近所だったら頻繁に通ってしまいそうです。ステージの音響も良くて、ノンストレスで弾かせて頂きました。私が住んでいる所からはかなり遠いのですが、それでも『また来たいな』と思う素敵なお店でした。」

2)浅利さんにとっての、育った土地やお世話になったクラブなどは?

「私は福島市出身で、市内にあるミンガスというお店によく通っていました。私が通っていた高校には珍しくもジャズ研があり、そこでなんとなくジャズをやっていたのですが、ある時OBさんに誘われてミンガスのジャムセッションに行き、それをきっかけに通うようになりました。」

「ミンガスには沢山のレコードがあって、それを聴くうちにどんどんジャズにハマっていき、ジャムセッションでも地元のミュージシャン達から沢山のことを学びました。とても感謝しています。」

(編集者から)ダフネでの浅利さんの生演奏は、ネットやCD音源でお聴きするより攻めてる感じで、断然面白かったです。皆さん、浅利さんの生ライブ、要チェックです。

◼️最後に(編集者から)

佐津間さん・浅利さん、インタビューのご協力ありがとうございました。

私は、先月2月にダフネを初訪問。店の雰囲気に、松山夏子さんのビブラフォンカルテットの音楽も重なって、優しい時間を過ごすことができました。お店には、生演奏を楽しみにダフネに通っていらっしゃる風の方もチラホラ。アドリブが入るごとに、お客さんが丁寧に拍手を贈っていたことも印象的だったです。

生演奏こそジャズは面白いと思っているのですが、ミュージックチャージを払ってまで聴きに来てくれるお客さんの層は、それほど厚くない世界でもあります。ゆえに、地域でジャズクラブを経営していくには、店の規模を支える人口の規模があり、加えてその価値に対価を払ってくれる地域文化の度量が必要となります。ダフネに鎌倉らしさを感じたのは、ダフネを支える客層を踏まえての必然があるように思いました。

余談ながら、鎌倉を見守る鶴岡八幡宮は、現在、夜20時で閉まってしまいます。ダフネライブ後には、本宮まで上がることが出来ません。ただし、参道途中にお賽銭箱が置いてあるので、遥か遠方に見える本宮に念を送って拝むことは可能です。ジャズ力向上に?御利益があると噂なので、お時間に余裕がある方はどうぞ。

以上「鎌倉/逗子/葉山」連載の第2弾、鎌倉ジャズの中心地・ダフネの紹介でした。

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