達人に聞く vol.26 デニス・チャンさん

WEBを彷徨っていたら、日本在住の台湾系カナダ人、デニス・チャン(Denis Chang)さんのNOTEに辿り着きました。

海外での生活を経て日本に落ち着くことを決めた方。日本のジャズなりジャズ界に対して、デニスさんなりに魅力を感じてくださってのことと勝手に解釈し、取材を申し込んでみました。

聞けば、上記NOTEは、日本語を習得するために、何度も何度も書き直しされたそうです。言葉を学ぶことによってこそ見えてくる、その国の文化があるというデニスさんの姿勢、なんだか嬉しいし、敬意を表したくなります。

ではデニスさん、宜しくお願いします。

◼️始められない時、集中できない時の切り札は?

個人的に、まずはなぜ練習したいか、自分で理解しないといけないと思います。目的なく練習している人が多いと思いますし、その人たちはあまり上達してないと気づきました。それぞれのミュージシャンは自分の目的を明確にした方がいいと思います。

でも目的なくギターを弾いて、癒される事もいいです。自分の幸せを優先する事も大事ですね。それなら、目的を考えずにギターを弾いたらいいと思います。でも本当に上達したかったら、どの程度上達したいか決めないといけないです。

例えば、実は僕は外国人として3年前日本に引っ越してきた時、日本語があまり喋れなかったんです。読み書きも全くできなかったんです。でも日本に住むなら日本語が話せるべきだと思って、一生懸命日本語ができるように頑張りました。そのために、たくさんのことを犠牲にしてきました。日本語はまだ流暢ではないですが、日常生活レベルぐらいになってきたと思います。

そのレベルぐらいの目的だったら、これから日本語を勉強しなくてもいいのですが、僕は日本にずっと住みたいので、できる限りネイティブレベルに近づけたいと考えています。理由は、流暢に話せれば話せるほど生活しやすくなると思うからです。つまり趣味ではなくて日本語を勉強することが必要です。

音楽と同じだと思います。海外で音楽活動をしていた時、なぜか分からないのですが、よくハイレベルなミュージシャンと一緒に色々な活動をさせていただきました。自分はハイレベルなミュージシャンではないと思うのですが、その人たちと仕事できるようになるために一生懸命練習しました。自分の意思ではなくて食べていくためにちゃんと練習しないといけなかったのです。つまり厳しい環境に身を置くことで人は成長するということです。

それがモチベーションを上げるために、一番いい方法だと思います。

◼️理論を実践に昇華させるには?

実は、僕のジャズは独学で、ヨーロッパのジプシーコミュニティーでミュージシャンとして成長しました。そして大学でクラシックの音楽理論も専攻しました。

個人的にジャズを弾く時、音楽理論をあまり考えていないです。多分、子供は自分の母国語を話す時文法もあまり考えていないでしょう。それと一緒だと思います。

僕は日本語教室にまだ通っています。文法や語彙が得意な生徒が結構多いのですが、一番流暢に話せるのは僕です。なぜなら、それは僕の頭がいいからという訳ではなく、僕だけが日本人のコミュニティーで生活しているからです。つまり、文法や語彙が得意=流暢に話せるという訳ではないです。

最近、日本人の友達の息子さんと遊んでいた時、彼は自然な上級レベルの日本語を使っていました。自分の名前すら書けないのに難しい日本語を使えます。それは環境に関係があります。

僕はジプシーのコミュニティーで過ごしていた時、よく耳でたくさんの曲を覚えないといけませんでした。たまに、ライブ最中でも演奏しながらリーダーのフレーズでコード進行を覚えないといけませんでした。

親は幼い子と話す時、簡単だけど自然な日本語も使うでしょう。そうやって子供たちは大人の単語を覚えていくと思います。

僕はジャズ修行していた時、リズムギターを中心に練習していました。たくさんの曲を覚えたら、すぐ自然にコード進行のパターンを理解できるようになりました。ソロは最初は耳コピで簡単なフレーズを練習しました。そうして、アドリブの仕組みをだんだん理解できるようになりました。

◼️いまの自分を乗り越えるコツ

先ほど申し上げた通り、僕は音楽でも日本語でも厳しい環境で成長しました。例えば、このインタビューのためにも何回も文章を書き直して先生にも直していただきました。笑笑

そうしなければ成長できないのでやはり、厳しい環境が大事ですね。

◼️デニスチャンさんプロフィール

日本在住の台湾系カナダ人。2022年8月に来日。日本では、非常に珍しい芸術ビザを取得している。

高校卒業後、ヨーロッパや北米を中心に音楽活動を開始。2011年より、DC Music School にて、オンラインレッスンを始める。そのウェブサイトに於いてプロデューサーとしてPat Martino氏、Mike Stern氏、Bireli Lagrene氏、Sylvain Luc氏、Jimmy Bruno氏ほか世界のトップミュージシャンとコラボしている。

2015年からは、そのハイレベルなレッスンを受けに南米、北米、アフリカ、ヨーロッパなどの世界中から生徒が訪れている。現在は、ミュージシャンとして、ヨーロッパ、北米やアジアにて活動を広げている。

◼️最後に(編集者から)

偶然発見し、このインタビューのキッカケになった、デニス・チャンさんのNOTEを紹介しておきます。

https://note.com/denischang/n/nd420ac77b9b3
https://note.com/denischang/n/n922d6c4775b2
https://note.com/denischang/n/nb7d8edb51f1a

今回のインタビューもさることながら、このNOTEに書かれているデニスさんの記述が面白い。

ジャズは、演奏スタイルなどの音源的な特徴だけでなく、ジャズクラブ、セッションスタイル、観客と演奏家の関係、演奏家同士の間合い、楽器づくり、楽曲づくり、教育システム、地域づくりなど、多様な要素によって構成されています。これまでのインタビューでも、多くの方がその点について語ってくださいました。

色んな国のジャズの魅力を、住み込みで体感できたら面白そう。さらに海外での経験を経て、日本のジャズに改めて触れてみると、新しい価値や課題が見えてくるに違いない。とはいえ、それも容易には叶わぬことなので、デニスさんのような方のお話はとても興味深いです。

デニス・チャンさん、ご多忙ななか、また日本語勉強中にも関わらず、インタビューご回答ご協力ありがとうございました。

(ご案内)xにて記事の新着をお知らせしています。https://x.com/jazzguitarnote

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