アルバムリリース❶浅利史花さん

浅利史花さんの演奏は、何度か生で聴かせていただいているのですが、なかなかアグレッシブで、毎回、お聴きするのが楽しみな方です。今回、浅利さんがセカンドアルバムを出されるとのことで、リリースの経緯や感想をお聞きします。

それでは、浅利さん。宜しくお願いします。

◼️浅利史花 新アルバム「Thanks For Emily」

・レーベル:リボーンウッド
・発売日:2023年04月19日 https://amzn.to/4c9qd8u

◼️自分のサウンドを伝えられるアルバムに

今回もレーベルの方から「そろそろ2枚目どう?」とお声がけいただきました。ちょうど新しくバンド(カルテット)を組んでサウンドが見えつつあった頃だったので、いいタイミングだなと思ってレコーディングする決心をしました。

前回の作品は編成も色々で、セッション的なリラックスしたサウンドでしたが、今回はもっとがっつりといいますか「私は今こんなサウンドの音楽を目指してます」「こんなバンドをやっています!」って伝えられるようなアルバムを目指しました。

◼️オリジナルとスタンダードを半々に

コロナ禍で書き溜めたオリジナルをレコーディングしたいのと、やはりスタンダードも入れたいのとで、バランスをどうするか大分悩みましたが、結局半々くらいになりました。なので今回は入れられなかったオリジナルもあるのでその点は少し残念ですが、またライブで温めて次のアルバムで入れられたらいいなと。

アルバム全体を通して楽しんでいただけるように曲順などもこだわって決めたので、ぜひ最初から最後まで聴いていただきだいです(笑)。

◼️ライブの延長のようなレコーディング

レコーディングが決まってから1年弱時間をいただき、その間にライブを重ねることができたので、ライブの延長みたいな感じでレコーディング出来たと思います。2日間のレコーディングでしたが特にトラブルもなくスムーズに終わりました。

◼️新しいサウンドへの挑戦

壷阪健登p、三嶋大輝b、山崎隼d という同世代のメンバーで録音しました。今までやってない新しいサウンドに挑戦したくて、このメンバーに声をかけました。

みんな、寄り添いつつも私とは違うアプローチを提示してくれて、毎回の演奏が刺激的です。数年の共演を経て、私の演奏も変わってきたと思っています。

ゲストで演奏してくれた曽我部泰紀ts、片山士駿flのお二人も素晴らしかったです。

(写真:左から)三嶋大輝b、壷阪健登p、曽我部泰紀ts、浅利史花g、片山士駿fl、山崎隼ds

◼️ エミリーレムラー トリビュート

  1. Thanks For Emily
  2. How Insensitive
  3. Lonely New Year
  4. I Thought About You
  5. Routine
  6. Go To Bed
  7. Samba De Ameijoa
  8. Polkadots And Moonbeams
  9. Blues For Herb

今回はアルバムのプチテーマとしてエミリーレムラートリビュートというのがありましたので,1曲目、2曲目、9曲目は彼女ゆかりの楽曲を演奏しました。

1曲目のThanks For Emilyは今回のアルバムのために書き下ろした私のオリジナルで、
彼女の音楽と出会った時の興奮する気持ちを思い出して書きました。

2曲目のHow Insensitiveはエミリーレムラーがラリーコリエルとデュオで演奏しているのが大好きで、最後9曲目のBlues For Herbはエミリーレムラーがハーブエリスに捧げたオリジナルです。

全く意図しなかったことですが、私のトリビュート曲で始まり、彼女のトリビュート曲で終わる流れになりました(笑)。

(編集者 注)
エミリーレムラー(Emily Remler):女性ジャズ・ギタリスト(ニューヨーク生まれ 、1957/9/18〜1990/5/4)。バークレー音楽院卒業後、セッションミュージシャンとして活動後、ニューオーリンズに定住。ハーブ・エリスに見いだされコンコード・ジャズ・フェスティバルにも出演(1978)。7枚のアルバム、1981「Firefly」1882「Take Two」、1983「Transitions」、1984「Catwalk」、1985「Together」、1988「East to Wes」、1990「This is Me」をリリース(没後を含む)。32歳の若さで逝去。

Emily Remler plays “Blues For Herb” https://youtu.be/CqC8Cs_tgA4

◼️演奏機材

ギターは1957年製ESー175、アンプはDa Capo75で録って、fender Champをリアンプしました。Da Capo 75はクリーントーンがまろやかで美しいアンプです。それとFender Champのソリッドなサウンドとを混ぜました。曲の雰囲気によって混ぜ具合を変えています。

・ギター:ES -175(1957年製)
・アンプ:Da Capo75、Fender Champ
・ピック:ダンロップ1mm
・弦:トマスティック ラウンド弦 0.13-0.53

◼️ポップなアルバムジャケットに

元々のジャズファン以外の方の目にも止まるといいなと思って、少しポップなデザインを提案しました。あんまり狙いすぎて音楽の内容とかけ離れても良くないし、どうなるか自分でも心配でしたが、カメラマンさんとデザイナーさんのおかけで素敵に仕上がりました。めちゃくちゃ気にいっています。

◼️ジャズの魅力をもっと多くのひとに

音楽に関しては、ひたすら地道に努力していくことは変わりないのですが、ジャズの魅力をもっと多くの人にお伝えできるよう、SNSなども上手に使いながら工夫して活動していきたいです。

◼️浅利史花さん プロフィール

福島県福島市出身。5歳頃からクラシックピアノを習う。
高校の部活動でジャズギターを始める。
2012年に大学進学に伴い上京。在学時より演奏活動を始める。
2015年にはギブソンジャズギターコンテスト決勝進出。
2020年11月、待望のファーストアルバム『Introducin’』をリリース。アマゾンジャズチャートデイリーでは連日1位を獲得し、多方面から注目される。
また、2023年4月には伝説の女性ジャズギタリスト・エミリー レムラーへ捧げるコンセプトジャズアルバム『Thanks For Emily 』をリリース。
国内女性ジャズギタリストのトップランナーとしての新たな立ち位置を確立すべく、これまで以上にジャズライブシーンでの活躍が期待されている。

◼️最後に(編集者から)

未だにハードCDを買ってしまうのは、うちのピュアオーディオシステムがネットワークに繋がっていないから(哀)。アルバムリリース日に記事が間に合うよう、CDが配達されるか心配だったのですが、無事にリリース前日に届きました(amazonのひと、ありがとう)。https://amzn.to/4c9qd8u

第一印象としては、優しさの感じられるアルバムです。共演されている方々も含めて、楽しそうに演奏している感じが伝わってくる。かつ、ライブ演奏に立ちあってるような躍動感もあります。きっとレコーディングも和やかでノビノビとした雰囲気だったのでは。。

演奏面では、期待を裏切らず、歌を大切に奏でる、浅利さんらしさが全編に溢れています。演奏って、本当に人柄が出ますよね。曲の構成にも気を遣っていらっしゃって、全体通して変化があります。

個人的には「Thanks For Emily」が良かったです。モダンなメロディライン、ワクワク感のあるアレンジ、ギターのトーンもハリとノビが私好み、心地よい感じでした。あと「Routine」もいいですねー ただ、アルバム聴き込んでいるうちに、推しが変わったりするので、私のオススメは全く当てになりません。

浅利さん、改めて、セカンドアルバムのリリース、おめでとうございます。そしてツアーなど、お忙しい合間を縫ってのインタビューご協力にも感謝です。これから益々のご活躍、期待・応援させてください。皆さん、この記事を読まれたのも何かのご縁、即、ポチッと如何でしょうか。

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