今回のテーマは「寄り道ノート」最大級の難関、「スイング」です。
ファンクで毒された身体から、ジャズモドキを紡ぎ出すのに苦労している私が、迂闊に「スイングとは」などと語ろうものなら、間違いなく刺されてしまいます。という訳で、今回は、自らの言葉では語らず、達人の方々に解説を委ねることにします。
ここでいう「スイング」は、「ジャンル」としてのソレではなく「ノリ」としてのアレです。また、リズムパターンやヴォイシングなどテクニック面の言及は含めていません。
難しいのは、時代とともに「スイング」の解釈が多様化していることでしょうか。「スイングとは」と語っていても、共通したノリを対象としていない可能性があることも踏まえて向き合うことが、火傷を防ぐコツかと思います。
■宇田大志さん
「ジャズを演奏する人は必見、リズムの取り方について」
〜 レイドバック、スイングのトレーニング 〜
・頭を少し遅らせて(=レイドバック)、3連ウラのイーブンで弾く。
・好みで、頭の遅らせるタイミング(レイドバックの幅)をコントロールする。
・頭でなく3連ウラにアクセントを付ける。メトロノームの鳴っているところを3連ウラにして練習。
■高免信喜さん
「リズムを鍛える!簡単で効果的な2つの練習法」
※残念ながら会員限定コンテンツにされたようなので、リンク削除します(2023/08/13)。ご興味ある方はHPを確認してみてください(https://jp.nobukitakamen.com/)。
・身体の中にシッカリとしたパルスをもつ練習
・パルスを基に割っていく練習
■ 名取穣一郎さん(ジャズギタースタイルマスター)
「ジャズ特有のリズム、スウィングを習得するための考え方」
・ビバップのリズムは4分の4拍子に対して8分の6拍子を意識して弾く(スイング)
・現在のジャズ奏者の主流は後ろノリ
・メトロノームを2・4拍に鳴らして練習。録音して聞き返し、修正の繰り返し。
■佐々木秀尚さん
「3連シャッフルは右手円運動で弾く」
・右手をトライアングル→円運動で動かしてあげるとグルーヴが掴みやすい。
■布川俊樹さん
「ジャズのバッキングの基本の「キ」!」
〜 4ビートスイングのリズムパターン〜
・1・3拍目はキチンと弾く(勘違い生徒が多い)。弾くなら効果的に。
・モダンジャズ以降は、2ビート× アンティシペイトが基本。
(1・3拍目を♪前にズラす)
■菅野義孝さん(2020/11/14追加)
「リズムがよくなる動画」
・集中力を高める練習を。
・メトロノームは裏打ちにコダワルな。逆効果になることも。
・体内リズムが安定すると、タイミングをコントロールできる。
・演奏に余裕がないとリズムは不安定になる。
■終わりに
ノリを語るのに、写真と文字だけでは無理があるので、YouTubeおよび音源付きHPを中心にピックアップしました。内容を踏まえて、良さげな順番にしてあります。一応映像を見ていただければ分かりますが、スイングを語っている達人の間でも、捉え方や弾き方が異なっていることが分かります。
重要だと思うのは、表現が異なっていても、達人に共通することとして「シッカリしたタイム感が感じられる」ということではないでしょうか。早く、そんな域に達したいものです。
(追記)
「あの人が、スイングについて、イイコト語ってるよ」など、掲載オススメ情報がありましたら、ご一報いただけましたら幸いです。
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