京都とジャズ❶学生時代を過ごす

年末に友人の見舞いで関西に行く機会があり、京都の音楽シーンに関わる方々に、お話をお伺いすることができました。今回から数回に分けて「京都とジャズ」をテーマに、その内容をご紹介してゆきます。第一弾は「学生時代を京都で過ごす」です。

◼️京都の学生数

東京都区部は例外として、京都の学生・大学院生の人数は全国一となっています(下表参照:京都市・令和2年度学校基本調査「政令指定都市及び東京都区部の学生数の推移」より)。

カルチャーに敏感な学生が多い町。なるほど、これは面白いことが起きそうです。

◼️ 関西エリアの注目株ジャズギタリスト中野純さん

お話をお伺いしたのは中野純さん、いま注目株のジャズギタリストです。ライブ本番前の隙間時間に、寺町の喫茶店にてインタビューさせていただくことが出来ました(中野さん、ありがとうございます)。

中野さんは大阪ご出身ですが、学生時代から京都をベースに、ジャズギターを磨いてこられたそう。学生時代の懐かしい話を中心にお聞きしたいと思います。

https://nakano-jazzguitar.jimdofree.com/

【中野純さんProfile】

2019年に東京御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターで行われた「Jazz Guitar Contest 2019 sponsored by Gibson(G-Club Tokyo × jazzLife)」で優勝。
中学生の時にエレキギターを始め、立命館大学在学中にジャズのライブ活動を開始するとともに、クラシックギタークラブに所属し、クラシック・ボサノバ・フラメンコ等の演奏も行う。ジャズギターは田井泰弘氏、畑ひろし氏、菅野義孝氏に師事し、現在は関西を中心にライブ活動中。
大阪府高槻市出身。高槻市で「中野ジャズギター&ボーカル教室」を主宰。

では中野さん、宜しくお願いします。

◼️京都との関わりはいつ頃から?

私は大阪府高槻市出身で、大学に入ったらジャズをやろうと熱望していました。自宅は大阪、大学が滋賀だったので、実は京都では暮してないんです。

入学した滋賀県草津市のキャンパスにはジャズ研がなく、クラシックギタークラブに入りました。ジャズギターに関しては、入学して数ヶ月、独学で勉強していたんですけど、限界を感じ、ジャズスクールに通うことにしました。

スクールは、自宅から滋賀のキャンパスまでの通学ルート上にあって、自宅にある高槻市から中心街まで電車20分ということで、京都で探しました。そして、関西では有名な藤ジャズスクールに決めたんです。私のジャズギター人生の始まりですね。

◼️ジャズを学ぶ環境として京都は如何でしたか?

京都はジャズを学び演奏する地域として、とても恵まれたところだと思います。

京都市には、小さなエリアの中に、ジャズのお店が集まっているんです。梯子も出来てしまうくらいに(笑)。お店が多ければ、多様なライブも見られるし、セッションにも参加できる。ライブできるチャンスも増えます。

ジャズギターに限らず、ライブ活動をしながらレッスンを受けると、より実践的な質問ができます。ライブをイメージしながらセッションに参加もできます。京都では、そうした相乗効果がありました。

また藤ジャズスクールには、発表会や夏合宿などがあって、様々な年齢層の方との交流がありました。もし大学のジャズ研に入っていたら、そうした交流や刺激は得られなかったかもしれませんね。

◼️ライブやセッションにも積極的に参加を?

そうですね。初めてライブをするのって、とてもハードルが高いと思うのですが、私の場合、運良く、ジャズの勉強をはじめて1年くらいで、歌の伴奏でライブをすることが出来ました。

また、活動を重ねていると、定期的にライブさせてもらえるお店にも出会え、ライブする毎に、チャレンジや反省を繰り返すことが出来たんです。そんなチャンスも、お店が多い京都ならではのことだと思います。

また、ツアーで来られたミュージシャンが、アフターでセッションに参加されることもあって、そこでは、とても刺激を受けました。例えば、当時、RAGというお店では24時から朝までの深夜セッションをやっていたのですが、そこに土岐英史さんが参加されたんです。

土岐さんの艶やかな演奏を目の当たりにして、興奮したことを今でも覚えています。圧倒されて、セッションに参加できずにいたら、藤ジャズスクールの先生であるピアニストの方が呼び込んでくれて、記憶に残る経験となりました。

◼️大阪・京都・神戸で、演奏スタイルや鑑賞スタイルに違いはありますか?

エリアの違いは感じたことはないですね。一人ひとりが個性を持っていて、様々な背景を持っているので、地域で括るのは難しいかと。

それは現在のYouTubeやSNSの存在による効果も大きいと思います。好きなアーティストの動画を、いつでも何処でも観ることができる。新しいアーティストを発見して刺激を受けることもできます。解説動画もいっぱいあるので、いまやエリアというより、一人ひとりの趣向で演奏スタイルが創られていると思います。

◼️中野さんのライブが観られる店、セッションで行かれる店を教えてください

・le club jazz
 http://web.kyoto-inet.or.jp/people/ktsin/
 ハウスピアニストの角田浩さんとライブさせていただいております。
 ジャズスクールに通っていた頃からセッションにも参加させてもらっています。

・Baja Bluet(バハ ブラット)
 https://baja-bluet.com/
 様々な方とライブさせていただいております。

・Jazz Live Sahouril(さうりる)
 http://sahouril.com/
 サックス&フルート奏者の多田誠司さんとデュオでライブさせていただいております。
 セッションも参加しやすいです。

・Music Cafe SOEN
 http://musiccafesoen.com/
 ギター好きのマスターがいらっしゃいます。若い頃から、お世話になってます。

◼️これから京都のジャズは、どうなってゆくと面白いですか?

京都は世界でも有数の観光地、世界中から人が集まります。そのポテンシャルを活かし、京都がインターナショナルなジャズのスポットになっていくと面白いですね。

感覚的な話ですけど、欧米の方は、昼に観光したあと、夜は生演奏を聴きながら飲める店に行こうという方も多いのでは。コロナ前には、ホステルの地下にあるオープンバーで演奏する機会があったりしました。そういったインヴァウンドなニーズに応える場所が、もっと増えていくと嬉しいです。

◼️最後に(編集者から)

取材前は京都在住の学生データにだけ注目していましたが、大阪から滋賀までを含み、広域の音楽圏があり、京都には独特の環境が存在するようです。

京都は、小さなエリアの中にお店が集まっていて、ライブやセッションのチャンスが多く、演奏を磨いていくには恵まれた場所である、という中野さんのお話。閉じた仲間うちのなかで、関東の大学で、殆ど学外の音楽世界に触れることなく学生時代を過ごしてしまった私には、反省させられたお話でもありました。

ジャズギターの研鑽を重ねる関西在住の皆さま。京都の環境、生かさないと勿体ないようです。できることなら私も京都で学生時代をやり直したいなあ。「京都とジャズ」連載の第一弾はこんなところで。中野さん、お忙しいところ、取材ご協力ありがとうございました。

【ご案内】twitterにて記事の新着をお知らせしています。https://twitter.com/jazzguitarnote

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