ここのところセッションに足を運ぶ度に「基礎力」不足を痛感していました。アウトプットばかり(セッションやアドリブなど)に気を奪われて、基礎力の強化が疎かになってしまうのはマズイ傾向です。このままでは、いつまで経っても上のステージに進めない確信もあり、年初に、暫しセッション数を減らし、基礎練に時間を割く方針を立てました。
そんなタイミングで、高免さんから教則本出版のご連絡を頂きました。本のタイトルは「ギター指板把握のためのフィンガーボード・ビジュアリゼーション」。
高免信喜(たかめんのぶき)
「ギター指板把握のためのフィンガーボード・ビジュアリゼーション」
https://amzn.to/3xV672e
正直なところタイトルを聞いた時は、あまり惹かれませんでした。そして紹介記事を書かせてもらうことになり、目次を確認してびっくり。本のタイトルから想像するイメージと、目次から予測される中身の濃さにギャップがありすぎました。
教則本紹介記事の場合、通常は、先ずは本の中身に目を通してからインタビューに臨むのですが、今回は設定を変えて、事前には中身に目を通さず、目次だけ確認して、お話をお聞きすることにしました。高免さんより直接解説をいただくことで、読者と私に、如何に意味のある内容であるかのイメージを持せてもらう、という趣向とします。
では高免さん、宜しくお願いします(以降、敬称略)。
◼️指板を把握できると、上達のスピードが上がる
(田中)まずは、どんな方に読んで欲しいと思って書かれたのか教えてください。
(高免)指板把握に限らないのですが、絶対音感を持ってる人は全体の割合からしたら少ないのに、音楽教育や音楽理論は、絶対音感的なとらえかたをしないと分かりにくい部分ってあるんですよね。ドレミファソラシドの音階を習うときでも、相対音感のことを考えてないような感じで。
(高免)ぼく自身、指板の音がしっかり見えていたことで、バークリーでうまく乗り切れたっていうところあるんです。ところが、耳に自信がない人、これから耳を鍛えたい人には、指板を把握することの大切さに気づいてない方が多い。自分が聞こえてる音と指板の音が一致しなくて、のび悩みしてる方って結構います。そういう方に読んでもらえたらなと思って書きました。
(田中)指板把握については、私も何度も壁にぶち当たってきました。初心者だけじゃなくて、ある程度学んで、伸び悩んでいる人にも価値がありそうです。
(高免)ある程度、実力ついてきて、でも、毎回同じことやってる、みたいな感じを受けてる方っていっぱいいるじゃないですか。そういう方と、これから始めるっていう人には、この本を読んでもらいたい。初心者も最初からやると、しっかりマスターできる。いきなり難しいクラシックの曲を弾くといった、超絶技工がいる練習ではないですし。
(高免)楽器の習得には、弾く力(マッスルメモリ)、盤上の音が見える力(ビジュアルメモリ)、音が聞こえる力(サウンドメモリ)という3つのメモリが欠かせません。そのうち「見える」と「聞く」というのは、弾く力がなくてもできることなので、初心者の方も習得が早くなるんです。
(田中)なるほど。では、章ごとに丁寧に内容を見ていきましょう。
◼️第1章:指板上の音名の仕組みと覚え方
(田中)章タイトルだけを見ると、ありがちな基礎の基礎的な内容かと思いきや、ほかの教則本では見かけないワードが色々ありますね。
(高免)まずは、音楽理論を学んだりアドリブをやる上ですべての基本になってくる、Cのメジャースケールの音がしっかり見えることが大切です。この章では、Cメジャースケールについて、僕がどのように指板をとらえているかを提示してあります。流れとしては、テトラコードを使ってメジャースケールを覚えて、次は解放弦の名前も覚える順序です。
(高免)とくにこの章では、 CAGEDシステムの中から、C型のポジションとE型のポジションをピックアップしています。C型とE型は、左手のポジションを変えなくていいので、まずはこの2つから。
(田中)CAGEDシステムというのは、コードの形を、C型、A型、G型、E型、D型の5つの型にして、指板を把握するというギター お馴染みの手法ですね。
(田中)目次にある「ユニター」というのは?
(高免)ユニターというのは、1本の弦で弾くっていう意味なんですよ。なので、まずポジションで覚える、さらにユニターで全部1本弦で音名を覚えていく、そして最終的に繋げていくっていうような感じです。
(田中)「イチロクの法則」という項目があります。
(高免)1弦と6弦が同じ音で、2オクターブ離れてるという話です。ただ音が同じだよじゃなくて、1つの法則として言語化すると理解しやすいっていうのがあって。
(田中)「自分だけの指板図」というのは、書くことで覚えるということですか?
(高免)いくら僕が「こういう風にやってください」と言ってもダメで、白紙の指板図に自分が見える音を落とし込む作業が必要なんです。
(高免) YouTubeの動画を見て、ああ分かった分かったと思っても、ほとんど身についてないというのは、みなさんも経験されているのではないでしょうか?なので現時点での自分の指板の見え方をもとにして、自分だけの指板図を作ることをおすすめしています。
◼️第2章:同じ音が瞬時に見える3つの法則
(田中)この章は想像しやすいかも。「プラスマイナス5の法則」「プラスマイナス7の法則」というのは、5フレット、7フレット上下のポジションということですね?
(高免)そうです。「プラスマイナス5」は、となりの弦で5フレット下がると、ユニゾンの音がある。「プラスマイナス7」は、ハードロックの人がよく使う、開放弦のEと5弦の7フレットのEが同じやつですね。即興演奏するときに、自分が見える音をポジションを移して弾けるようになるのは大切です。
◼️第3章:4つの法則とジオメトリックで覚える指板上の音名
(田中)この章は、タイトルを見ても中身の想像ができませんでした。
(高免)教則本に載せた挿絵の表を見ていただくと分かりやすいんですけど、ギターのチューニングは弾きやすいように作られています。例えば、一直線に並ぶとこがあるとか、トの形に見えるポイントがあるとか。あと、トライトーンが対角線上に斜めに並んでるとか。
(高免)必要な要素は第1章ですべて出てきてるんです。第2章からは「それが、こういう風に僕には見えてます」と続いている感じ。これから登っていく山の頂上が見えてて、そこに行くためにいろんなルートを見ることで、どんどんと全体のイメージが確固たるものになっていくような感じです。
(田中)実践面でも、多面的に指板を理解しておくことは、とても大事ですよね。
(高免)指板上の11フレットの位置っていうのは全部ピアノの黒鍵の音なんです。アドリブやるときに、その音はアウトするわけです。ぼくは黒鍵ペンタトニックって呼んでるんですけど。そういうことを知っておくと演奏の役に立ちます。
(田中)この章でも、プラスマイナス5とか7とか出てきています。
(高免)第2章で紹介している法則と同じなんですけど、この章ではプラスマイナス5とプラスマイナス7が繋がってることを把握します。
◼️第4章:指板の音がくっきりと見える2本のライン
(高免)この章はオクターブです。ジャズやってる人にはおなじみのウェスモンゴメリーのオクターブ奏法の形ですね。
(田中)目次にある「オクターブ・ディスプレイスメント」という言葉は初めて聞きましたが。
(高免)キーボーディストが2段3段とキーボードを積み重ねるようなイメージで、弦を2本ずつに分けて考えると、結構弾きやすいんです(試奏しながら)。
(田中)(試奏を見ながら)拡張ペンタみたいな動きですね。「ボックステクニック」というのは?
(高免)オクターブの音を変えるってことなんですけど、1弦を弾いている時に6弦に飛んで、フレーズを繋げていくんです。オクターブ上げたり下げたりすることで、弾けないものを弾けるようにするっていうテクニックですね。サックスのオクターブみたいな感じで思ってもらえといいかもしれないです。
(田中)同じく目次の「セイム・ノート・エクササイズ」というのは?
(高免)ここまで見てきたプラスマイナス12・5・7、オクターブなどを混ぜて、すべて同じ音を弾く練習です。
◼️第5章:5つのポジションで指板をとらえよう!
(田中)この章はCAGEDですね?
(高免)そうです。第1章でC型とE型だけ取り上げたので、残りのAとGとDの型を紹介して、指板をすべて見えるようにします。
(田中)目次にある「隠れコード・トーン」というのは?
(高免)コードを押さえると、そのなかにまとわりつくような感じで、コードトーンってあるじゃないですか。この本では、Cメジャースケールがしっかりできて、Cのトライアドもしっかり弾けるようになる、ということも目指します。CのメジャースケールとCのメジャートライアドが分かって、隠れトーンとかも最終的に見えるようにする訳ですね。
(田中)テンションとかも入ってくるんですか?
(高免)テンションには全然触れてなくて、まずはとにかくメジャースケールをしっかりと把握するところからです。
◼️第6章:タブ譜しか読めなかったプロが教える! 五線の読み方
(田中)目次を見ていて、私がもっとも興味を持ったのが6章でした。五線譜の読み方まで言及してるんですね。
(高免)自分がどういう風に指板を覚えたか思い出したときに、指板の音と譜面の音がしっかりと繋がることで、さらに指板の理解が深まったっていうのが実感としてあったんです。五線譜の音を認識するのはギタリストが1番弱いところ。TAB譜でリズムは結構見ているかもしれませんが、音符を分かってもらえるようにと。
(高免)裏話があって、ぼくの知り合いのニューヨークで活躍するギタリストたちに、どうって指板を覚えたのか聞いてみたんです。そしたら意外と、結構な数のギタリストが譜面を読めるようになったことで指板がよくわかった、と話をしてくれて。
(高免)楽器習得するときって、サウンドメモリ、ビジュアルメモリ、マッスルメモリの3つの能力が必要というのは先ほどもお伝えしました。この3つの能力は、ギタリストによって個々のレベルが違うんですよ。レベルというか状況が違うというのかな。たとえば、絶対音感を持ってる人の中には、音は分かってるけど指板の音が分かんないって人、結構多いんです。
(高免)この本の中でも強調してるんですけど「目で聞いて耳で見る、目で聞いて耳で見る」ことが大切なんです。要するに、耳で聞こえているものが指板上の音として見える、そして目で見えているものが、どういう音なのかが聞こえるっていう。指板上の音プラス譜面が読めるようになると、逆に出音が見えて聞こえるわけなんで、譜面を見たときにそこから音楽を想像しやすいんです。
(田中)五線譜読みと指板把握の密接な関係が分かりました。個人的な話になりますが、私は、五線譜の2本線上のCより上の音、2本線下のAより下の音が、数えないと読めなくて(笑)。
(高免)勿論、そんなかた向けのアプローチも紹介してありますよ(本を見せながら)。
(田中)なるほど。こんなこと書いてある教則本、初めて見ました。
(高免)日本のセッション行くと譜面見てる方が多いじゃないですか。やっぱり譜面がない方が演奏に集中できます。なので、譜面が読めるようになったら、譜面見ないで演奏してほしいということも、自分の譜面への考え方として紹介してありますよ。
(田中)「譜面は見るな」は国内のセッションでも指摘受けることがあります。ちなみにメロディーの覚え方にコツありますか?
(高免)本の最初の方にも書いてあるんですが、音名と階名と度数と、この3つで覚えるのがおすすめです。階名というのはドレミファソラシドで、キーがCならCがド、Dがレです。キーがFならFがドになるので、移動ドとも呼ばれています。
(高免)すごく難しいような感じがするんですけど、練習すると3の方法で読めるようになります。ドレミファソラシドの移動ドでとらえて、指板上の音をとらえるときは、キーがFだからFの音がドだな、スケールの度数でいうと1度だな、みたいな感じで理解しています。とくに相対音感の人は移調とか楽ですよ。
(高免)これまでにたくさんの方々にレッスンをしてきましたが、イヤートレーニングをやってみると、音名と階名と度数のどれかが強いということが多いです。強いところを元にして拡げていく感じで、自分が弱いところに集中してのばしていくと良いと思います。最終的には、考えて、考えて、考えて、考えて、考えて、何回も練習することで、考えなくても弾けるようになります。
◼️第7章:運指を極めるためのエクササイズ
(田中)フィンガーストレッチやポジションチェンジを極める章のようです。
(高免)五線譜が読める、CAGEDが見える、すべての法則が理解できるっていう風になってくると、指使いの可能性を広げていく意味でフィンガーストレッチをして弾いてみます。CAGEDで弾くときにはポジションチェンジはするんですけど、指はのばさないじゃないですか。
(田中)「知っておきたい変化記号」というのは?
(高免)ここで初めてシャープとフラットが登場します。フィンガーストレッチで「指をこっちにずらすと、こうなりますよ」の部分に、シャープやフラットがどういう風になるかも説明してある感じですね。
◼️第8章:7つのポジションで指板をとらえよう!
(田中)この章は、3ノート・パー・ストリング(ひとつの弦で3つの音を弾く)ですね。ジャズギターを探求している方ならば、普段から使っている方も多そうです。ひとつの章として成り立つほど、奥が深いということですね?
(高免)そうですね。基本的にはステップバイステップでやっていく感じなので、ひとつの弾き方をいろんなエクササイズでやってる感じです。
(田中)なるほど。話が少し逸れますが、高免さんの場合、浮かんだフレーズと指板とは、どう結びついて音となっている感じですか?
(高免)すべて指板の音がブワッと見えてます。たとえば、CメジャースケールがEメジャースケールに変わりましたとなると、指板上のフォーメーションがバシャバシャと変わるみたいな感じで、指板上の音が全部見えてるんです。あとはその中から、どのどういう風に取り出すかってだけの話なので。
(下記:過去の参考記事)
◼️第9章:ギターの指板把握を極めよう!
(高免) Cメジャースケールを、1弦に2音ずつ弾きながら上がってみたことってありますか?この2ノート•パー•ストリング 、意外と難しいんです。2音ずつ弾いていくとヘッド側にずれて行くので、すべてのポジションをまたぐんです。意外とこういった動きをすることは少ないかもしれませんが、やってみるとポジションがぐんと広がります。
(高免) 4ノート•パー•ストリングというのは、4音ずつ弾くんです。ブロックごとに覚えたものを繋ぐ感じですね。
(高免)一度形に落とし込んどいて、今度はポジションも崩していって、ユニターを弾いたりして、最終的には、自分が弾きたい音を自分が弾きたいポジションで弾けるようにする。ポジションが変わるとトーンも変わりますし。
(高免)ゲーム感覚で鍛えるポジションのエクササイズも面白いんです。できるようになると、自分が見えてる指板の音を形だけに囚われないで広く使うことができるようになります。
(田中)読者の声を想像すると、指板を把握するのに、ものすごく膨大な努力が必要なことが見えてきて、途方に暮れてしまう方も少なくないはず。目指したい域まで、めげずに到達するコツってありますか?
(高免)ポイントとしては、ユニターとセムノートエクササイズですね。この2つができるようになると指板の把握は劇的に向上します。実際に膨大な量の練習が必要ですが、ユニターとセムノートが分かれば、基礎ができます。
(田中)壁を感じている中級者の場合は如何ですか?
(高免)まず、自分がどこまでできるかっていうこと、自分の立ち位置をとらえて、この本を参考にしながら、拡張の仕方をいろいろと発想していくことになります。そのためにも、やっぱり自分だけの指板図を書く意味があります。その上で自分が行ったことのないところに行くルートを見つけてくていうのが1番いいんじゃないかな。自分が抜けてるところはどこなのか?と発見をしながら読んでいくと面白いかもしれませんね。
(高免)この本はCのメジャースケールとCのトライアドを中心にしてたんですけど、12キーのスケールの弾き方と固定ドと移動ドの違いも解説してるので、とくに経験者の方は、そちらを見ていただけると良いですね。Fキーをよく弾く人であれば、Bにフラットつければいいんだ、とか分かってもらえるのでいいんじゃないかなと思います。
◼️サポートが必要という方は。。
(田中)指板把握について、もっと極めたいと思ったときに、高免さんに問い合わせても大丈夫ですか?
(高免)もちろんです。個人レッスンや毎月1回のグループレッスンもやっています。YouTubeでもお伝えしているのですが、ぼく自身は絶対音感を持っていないので、相対音感を鍛えてきました。そういったこともあり、レッスンでは相対音感を中心として、指板把握や移動ドもカリキュラムに取り入れています。
◼️ギター指板把握のための「フィンガーボード・ビジュアリゼーション」
ギター指板把握のための「フィンガーボード・ビジュアリゼーション」
著者 高免信喜(解説&演奏)
発売日 2024/03/25
A4判×112ページ
¥ 2,420 (本体 2,200+税)https://amzn.to/3xV672e
【目次】
第1章 指板上の音名の仕組みと覚え方
ぼくに見えている指板上の音
スケールについて知っておきたいこと
「テトラコード」でメジャー・スケールを覚えよう
開放弦の音名を覚えよう
スケールの仕組みがわかる「ユニター」とは?
「C型のポジション」のCメジャー・スケール
「E型のポジション」を覚えよう
4〜1弦のユニターを練習しよう
「イチロクの法則」を覚えよう
C型とE型の間にある音を弾いてみよう
効果抜群! 自分だけの指板図を作ろう
第2章 同じ音が瞬時に見える3つの法則
オクターブ違いの音がわかる「プラスマイナス12の法則」
同じ高さの音をつなぐ「プラスマイナス5の法則」
オクターブ違いの音が見つかる「プラスマイナス7の法則」
C型とE型のポジションをつなげて弾こう
第3章 4つの法則とジオメトリックで覚える指板上の音名
開放弦と12フレットの音名をつなげて覚えよう
プラスマイナス5の法則で覚える2つのポジション
プラスマイナス7の法則で見つかるポジションの音名
4つの法則のまとめ
ジオメトリックなポジションで目印を増やそう
第4章 指板の音がくっきりと見える2本のライン
オクターブのポジションを覚えよう
偶数と奇数のオクターブ・ポジション
オクターブ奏法で弾いてみよう
「オクターブ・ディスプレイスメント」とは?
オクターブで広がる「ボックス・テクニック」
「セイム・ノート・エクササイズ」で同じ音の位置を把握しよう
第5章 5つのポジションで指板をとらえよう!
「CAGED」とは?
CAGEDシステムで5つのCコードを覚えよう
「隠れコード・トーン」を見つけよう
共通音でCAGEDをつなげよう
CAGEDで覚えるスケール・ノートの位置
第6章 タブ譜しか読めなかったプロが教える! 五線の読み方
五線譜上での音符の表記
まずは「ミドルC」を覚えよう
スペースの音は「FACE」と覚えよう
ラインの音を覚える文章
五線外の音にも使える「FACE」と「EGBDF」
譜面とのうまいつきあい方
第7章 運指を極めるためのエクササイズ
「フィンガー・ストレッチ」でポジションをひろげよう
知っておきたい変化記号の種類と使い方
「ポジション・チェンジ」とは?
運指を極めるための2つのポイント
第8章 7つのポジションで指板をとらえよう!
「3ノート・パー・ストリング」とは?
3ノート・パー・ストリングのポジション
3ノート・パー・ストリングのインターバル練習
ポジションのつながりを強化するトレーニング
ハンマリングとプリングを使って弾こう
第9章 ギターの指板把握を極めよう!
ユニターで極めよう
ゲーム感覚で極める運指エクササイズ
「2ノート・パー・ストリング」で極めよう
2ノート・パー・ストリングとユニターの組み合わせ
「4ノート・パーストリング」で極めよう
ぼくが考える「ポジションの極意」とは…
12キーのスケールについて
移動する「ド」と動かない「ド」とは?
◼️出版社 宣伝コメント
スケール・ノートとコードとの関係が視覚的に掴めて、指板上を自在に弾きこなせる、効果バツグンのエクササイズ集(配信音源有り)
「指板上の音をなかなか覚えることができない」「ポジションに縛られてしまって指板上を自由に動けない」「音楽理論を覚えてもギターの演奏と結びつけることができない」……そんな悩みを持つ人に向けて、指板上の音の並びや関係についての理解を深め、運指の上達を促す独自の“法則”と“極意”を伝授することで、ギタリストが演奏中に見える景色を一変させるという、現状突破型のギター教本です。
インストラクターは、バークリー音楽大学を首席で卒業、ニューヨークを拠点に世界の第一線で活躍するジャズ・ギタリスト、高免信喜氏(レッスン動画を公開するYouTubeチャンネルの登録者数2.3万人)。氏が演奏する、掲載譜例に連動したデモンストレーション音源がダウンロードできるQRコードも付いています。
◼️最後に(編集者から)
インタビューの後、教則本の中身を確認してみました。高免さんのコメント通り、指板図やTAB譜、法則性や覚え方とともに、指板を、様々な角度から実践的に捉えていく構成になっています。これまでかなりの数の教則本を確認してきましたが、ここまで指板理解に深く拘った本は見たことがありません。今回、出版社からの許可がおりず、サンプルページのチラ見せが一切出来ず申し訳ありませんが、ご興味ある方は書店等で確認してみてください。
本を開いてみて改めて感じたのは、指板の確かな理解のためには、地道な、継続的な、しぶとい基礎練が必要だということ。到達したい音楽やギターのステージを妄想しながら、目標達成のためのモチベーションや課題感を持って臨まないと、道半ばにして挫折してしまいそう。「基礎練を楽しむ」モードに自分を持っていくことが、とても大切に思います。
さらに読者の皆さまには釈迦に説法ですが、カラダだけで覚えても、またアタマだけで理解していてもダメな世界。さらに高免さんの言う「耳で聞こえているものが指板上の音として見える、そして目で見えているものが、どういう音なのかが聞こえる」という状態まで極めていきたい。アタマとカラダを結ぶトレーニングには時間がかかるもの。コツコツ積み上げてゆきましょう。
高免さん、初の教則本出版、お疲れ様でした。そして取材ご協力ありがとうございます。今回はここまで。
【ご案内】X(twitter)にて記事の新着をお知らせしています。 https://x.com/jazzguitarnote/