この週末、群馬県の高崎で集まる予定があったのですが、コロナ再流行が原因で、急遽、延期になってしまいました。いつになったら、私たちは、この不安定状態から解放されるのでしょうか。
前回、久しぶりにペダルボードの記事を書きました。ファンクバンド用からジャズセッション用に、ボードサイズを半分に工夫した顛末のレポートです。
「ペダルボード❸ 荷物を減らしたい」
https://jazzguitarnote.info/2022/10/15/pedal-board-3-half-size/
この記事で紹介させていただいたボードは、自宅から徒歩で通っているジャズセッションで使います。このセッションは、音楽スタジオのオーナーが、「練習会」と称して月1ペースで主催してくださっていて、スタンダード曲以外も含めて、様々な未知の楽曲にチャレンジできるんです。またセッション中、メンバーの入れ替えがないので、機材を広げっぱなしにでき、演奏も機材も色々と試すことができます。本当にありがたいことです。
一方、巷のクラブで開かれているジャズセッションでは、かなり状況が変わってきます。そうした常識対応にも言及しておくべきと思い、今回、記事を上げておきます。
◼️出番入れ替わりセッションでのシステム
改めて記事で書くことでもないですが、出番入れ替わりセッションでは、アンプ直結がベストです。
殆どのジャズセッションでは、1-2曲演奏する度に出演者が入れ替わるため、自分の順番が回ってきたら、マイギターを店のアンプに挿し、終わったら抜いて席に引っ込みます。演奏する側も、登壇や交代をスムーズに済ませるため、アンプ直結で済ませたい。とても合理的で、理に適ったシステムです。
サクサクと入れ替わっていくことが前提なので、そもそもペダルボードを持ち込める空気ではありません。ギターの出音に興味がある人も、ギタリスト以外には皆無です。
荷物も大変です。私の場合、出番がくる度に、ギター・ケーブル・黒本・読譜用メガネを、ステージに運ばなければなりません。さらに、私は座って弾くので、椅子や譜面台をセットする必要があります。加えて、自分の音出し準備とは別に、曲を決めて、一緒にステージに上がった人たちに伝えなければなりません。
さらに、ほぼ例外なく、バーを会場とするセッションのステージは狭い。基本的に、持って上がったモノは、自分の演奏が終わる度に、客席まで持ち帰らなければなりません。
そんな風に、ギターは、他に比べて、最もセッティングが面倒くさい楽器。出入りがあるセッションで、アンプや複数のペダルを持ち込むのは、やはり厳しいでしょう。私の場合は、セミアコに持ち替えてから「小屋のアンプ×クリーンブースター1個(6Pバッテリーを中に組み込んで)」の形に落ち着きました。
◼️無謀にもアンプを持ち込んでみる
一方、電気ギターの場合、ギターからアンプの出音まで含めた全体をもって、ひとつの楽器です。アンプとペダルまでセットで持ち込めたら、お店のアンプ状態に左右されない、ある意味、安心なシステムです。そのため(入れ替わりない)出ずっぱりのセッションやライブでは、少なからず、自分アンプを持ち込む演奏家がいらっしゃる。
アンプを持ち込む場合、出力は重要です。ギリギリではダメで、出力に余裕があるアンプでないと、ハリのある音が出ません。ジャズクラブならば50W以上は必要。100Wあると安心です。PAが入るホールやライブハウスの場合は最低100W以上は欲しくなる。
そして、アンプを持ち込む際の鬼門は、そのサイズと重さです。多くの方が、ギターを背負い、キャリアにアンプを乗せて運んでいらっしゃいます。私は大型のアンプを所有していないので分かりませんが、キャリア載せで地面からのゴトゴト振動がアンプに悪影響しないかしら?と不安も残ります(この対策については、何処かで記事にしたいと思います)。
そんな背景を踏まえ、今回、ZT LunchBox Jr.という小型アンプをセッションに持ち込みんでみました。弁当箱サイズながら出力は100W。自宅での練習に毎日使っているので、小屋の状況に合わせての現場調整にも不安がありません。
余談ながら、ZT LunchBox Jr.はモディファイ(改造)していて、音量を上げても、歪まないクリーン回路を入れています。下記写真のGAINツマミの上のスイッチで、青シールの方に倒すとクリーン回路になります(かなり重宝しています)。
「ZT Lunch Box Jr.改造」
https://jazzguitarnote.info/2018/12/30/zt-lunch-box-jr/
◼️パッケージングした状態
ケースに入れた状態はコチラ。写真の下部分にZT LunchBox Jr.が収まっています。余談ながら、これはカメラケースの代用で、収納部分も工夫されていて、重宝しています。
上蓋部分にペダル3個が入ります。ペダル1個のこともあるので、その時々で運び方は変わります。また、ペダル電源コードなどは、まとめて小袋に収納してあります。
どんなペダルを繋ぐかは、各自の好みや事情で選べば良いのですが、ZT LunchBox Jr.にリバーブツマミが付いていないため、この時は、ブースター、リバーブ、ペダルチューナーの3点を選んでいます。時間や広さに制約ある場合は、クリーンブースター1択で対応します。
◼️ZT LunchBox Jr.の特徴を活かす
ZT LunchBox Jr.を使うオマケなポイントがあります。実は背面にセンターマイナス9Vのペダル用出力端子を備えているのです。
最大500mAまで供給できるので、数個のペダルを繋ぐ分には、容量の心配はありません。つまりパワーサプライを持ち込む必要がないんです。できるだけ足元をスッキリさせたい、という状況においては、大きなメリットです。
裏から見た参考写真です。アンプから電源ケーブルを2又に分けてリバーブとペダルチューナーに入れて、チューナーからブースターにパラって繋いでいます。
電源由来のノイズに関しては、デジタル機器を使っていないこともあり、気になるレベルではありませんでした。
◼️アンプからの9V確保が厳しい場合
配置場所の制約などから、ZT LunchBox Jr.から電源を引っ張ってこれない場合は、9V電池も持参しておくと安心です。なお、いちいち裏蓋を開けて電池交換するのが面倒なペダルもあるので、私はプラモデル用の電池ケースを持ち歩いています。電池交換が面倒くさいな、煩わしいなと思っている方にはオススメです。
この外出しバッテリを用意しておくと、電池を組み込めないペダルも、単体で利用が可能です。代わりに12Vを要するペダルは厳しいです。
◼️最後に
先月、横浜市内にあるジャズクラブセッションに、大学のサークル先輩(ドラム)と一緒に参加してきました。この小屋には、ライブを聴きに伺ったことはあったのですが、セッションは初めて。演奏でご一緒した方々も、皆さん、初めましての人たちでした。
セッションが始まるまでの待ち時間。他の方々が声かけ合ったり談笑しているなか、新参者には、チラリと一瞥あるだけで、声が掛かることは殆どありません(どのお店も似たり寄ったり)。またセッションの作法も、少しづつ、お店によって違います。分からないことは聞いたり察したりして、慣れていくしかないですね。
そんな場に、今回のイレギュラーなセットを持ち込んで試してみました。入れ替わりのセッションだったので、ご迷惑もお掛けしたかと思います。ただ、出音的には予想通り、満足できる結果となりました(演奏自体は課題満載でしたが)。そしてやはり、入れ替わりセッションで、このシステムを組むのは非現実的であることも確認できました。
今回の記事、前回からの流れで「荷物を減らす」テーマに入れてしまいましたが、持ち込みアンプが主題になっていて、返って荷物増えてるじゃねーか、とお叱りを受けそう。アンプやペダルを使うコダワリ、使わないコダワリ、どっちもアリなところも、ジャズは面白いです。
今回も最後までお付き合い、ありがとうございます。
【ご案内】twitterにて記事の新着をお知らせしています。https://twitter.com/jazzguitarnote