セッション❷ エンディング基本

本ブログでは、理論や技術に関することは専門サイトにお任せし、触れないようにしています。ただ今回は、その掟を破り、自分自身の備忘録として、セッションに欠かせない「エンディング」の基本の基本について、整理しておくことにします。「エンディングなんて簡単。直ぐに慣れるよ。」という方には新鮮味の無い内容かと。ご容赦ください。

■いまだに謎なエンディング

アンサンブルに求められる基本スキルとしては、音量・音数・音選びのバランス(出るとこ・引っ込むとこ)、音によるサイン出し(アドリブ渡し、イントロ、エンディング)、音による会話(アドリブ、バース)などが挙げられます。

ところが、アンサンブルスキルに関する教材やワークショップ は殆どありません。中でも、必ず必要なのに「いまさら聞けない」感が漂っている要素のひとつが「エンディング」です。

普通、バンドの場合「エンディングはどうする?」とか、メンバーで相談して決めます。ところが、ジャズのセッションでは、演奏前に「エンディングは〇〇でお願いします」なんて話し合うことは皆無です。

多くの場合、曲を決めた人がその曲のリーダーとなり、音でサイン(たまにゼスチャーも交えて)を出します。演奏の中で、音やゼスチャーで会話して、エンディングのパターンを合わせると。

勿論、それがスンナリ出来るよう目指している訳ですが、私は、いまだにエンディングでつまずきます。終わり間際にアンサンブルを崩してしまうのは勿体無い。不安の無い、迷惑を掛けない状態を目指したいものです。

ちなみに偉大なるPeter Bernsteinさんは、インタビューの中で、「何の曲を演るかも含めて、音で会話して音楽を紡いでいくから、ジャズは最高なんだ」と言ってました(意訳)。

■まずはエンディングの基本を習得したい

まずは曲として成立させるため、メンバーに迷惑を掛けないために、最低限のエンディングのやり方を習得しておきたいもの。基本の基本をペーパーにまとめてみました。

頭で理解しても、現場に活かせないと意味がないので、自分自身の備忘録シートとして作成したものになります。基本と言いながら、裏コードや代理コードなど、ベーシックな音楽理論の知識や演奏技術がないと、読み取りが厳しい箇所があるかもしれませんが、ご容赦ください。

■補足(上記シート参照)

(A)逆循
曲最後の2-5-1から2-5を拾って、(2-5)→「3-6-2-5」のコード循環を繰り返します。多くの場合、「3-6-2-5」を3回繰り返して、トニックコードに落ちます。
マイナーの曲やブルースでは、逆循に入りません(=逆循を使いません)。

(B)定番パターン
上記、逆循などの後に続く定番パターン。「エリントン・エンディング(A Trainエンディング)」と「ベイシーエンディング」があります。

(C)Ritエンディング(段々とユックリになって終わる)
251や3625の終わりで、バックを止めた後、解決を遅らせるコードやコード進行を挟むことが可能です。自分が曲のリーダー(仕切り役)となった場合に適用可。

(D)変則着地
着地するトニックの工夫。

(E)キメフレーズ
251や3625の終わりで、バックを止めた後、アドリブ でパラパラと埋めます。その後はジャーンと決めコードで終わること多し。自分が曲のリーダー(仕切り役)となった場合に適用可。管楽器など、他にリード楽器がいた場合は任せても良し。

■最後に(編集者から)

エンディングについては「自宅練習で仕込み→セッション本番で試す→場数を重ねる」の繰り返ししか、上達の道は無さそう。

掲載したメモは、私が自分用に整理したものなので、一般的な解釈とは異なるところもあるかもしれません。ver.1.1とさせていただいて、新たな発見やアイデアが見つかれば、随時更新とさせてください。また加筆修正すべきところがありましたら、ご指摘ご指導いただけましたら幸いです。

「セッション」連載2回目はココまで。

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