ジャズセッションにおいて、演奏技術とアンサンブルスキルは別モノですよね。つまりギターテク上達と、アンサンブル上達には、別々の学習なり努力が必要かと。
確かに、セッション参加の前提として、最低限の演奏技術が必要とされます。がしかし「もう少し上達してから」といつまでも遠慮していては、アンサンブルスキルは身につかないことになります。
やったことないことなのだから、迷惑かけてしまうことなんて当たり前。「初心者です」と詫びつつ、早い段階からジャズセッションには参加したほうが得策だよなあと、自戒を込めて思います。
■自分に合ったセッションを選ぶ
かく言う私は、師匠に誘われて初めてセッションに参加してから、自分の意思で参加するようになるまで、数年掛かりました。それほど初心者にとって、セッションの敷居は高いです。今でもハイテク志向なセッション、プロ志向のセッションは行きません。
少しの挫折は成長のバネとなるのですが、自分のダメぶりに叩きのめされると、暫く行くのも嫌になっちゃいます。ジャズセッションと言っても、クラブによって、ホストによって、その日の参加メンバーによって、レベルも空気も千差万別なので、自分に合ったセッションを選びたい。
これからセッションに初チャレンジしようという方は「初心者対象」セッションから試されると良いかと。都内や関内のクラブで「初心者対象」と掲げて、月1くらいで開いているところが何軒かあるので、チェックしてみてください。
もちろん、腕に自信のある方は、より高いレベルや指向に応じた場を選んでくださいませ(羨ましいー)。
■セッションのルール教材が極端に少ない
セッションに初参加したい時、なにやら敷居高そうなので、事前勉強しておきたくなります。また参加してみると、無言のルールが色々と存在していることが分かり、下調べしたくなります。
がしかし、理論やフレーズを教える教材は数多あれど、アンサンブルのノウハウを教えてくれる教則本やYouTube動画が、極端に少ない。場数を踏めば、徐々に見えてはくるものの、そもそもジャズに無縁だった私にとっては、それだけでも、えらく敷居高くストレスフルな世界だなあ、と思っていました。
希少価値本として、下記のような本が出ています。
鍵盤の方が書かれているので、多少、ギター用に読み替えが必要な箇所もありますが、セッション初心者の方にとっては、とても有益な本だと思います。
■とあるセッションにて
以前、とあるセッションに参加しときのこと。
鍵盤がやたらと弾きまくる手数王だったのですが、その横暴ぶりに、ドラムの方が演奏途中で怒って帰ってしまいました。クラブ内では「途中で帰るなんて大人気ない」という空気が漂っていましたが、私は強くドラムの若者に共感したことを覚えています。
人それぞれ嗜好もリズム感もレベルも異なり、相性の良し悪しを含めてのジャズセッションの世界。ただ大前提として、テクニック披露の場ではなく、一緒になった楽器パートの方々と、そのメンバーでこその、より良いアウトプットを出すことが共通目的のはず。
アンサンブルそっちのけの手数王やスピード狂、やたら難解曲志向の演奏家などに当たると、悔しい気持ちもありながらの、「今日はもう帰りたい。暫くココに来るのはイイや。」って思います。
私が仕事しているクリエーティブ関係の世界でも、超越的なところまで辿り着いている方は、ピリッとした緊張感とともに、包容力をもっている方が多いように思います。老若男女・レベル・領域問わず、何かに挑戦しているヒトには敬意や応援の眼差しをくれる感じとかね。私自身は、とても達人の域には達せませんが、そんな歳の取り方を目指したいものです。
成長のための多少の苦しさは望みつつも、やっぱり、一緒に音楽を作っていることが楽しめるセッションがいいなあ。
■最後に(編集者から)
そんなこんなも含めて、生モノな感じが、セッションの面白いところ。皆さまとも何処かのセッションで、ご一緒することもあるかもしれません。どうぞ宜しくお願い致します。
なお、折角なので「セッション」テーマの記事を、幾つか上げていこうと思います。まずは第一弾ということで、今回はココまで。ありがとうございました。