達人に聞く vol.16 田辺充邦さん

達人に聴くシリーズ、16人目は田辺充邦さんです。「jazzLife」誌での出番も多いので、ご存知の方も多そう。

田辺さん演奏をお聴きしたのは何時だったかなあと、ギター日記を検索してみたら、なんと10年前(2012年3月@銀座)。時が経つのは早いものですね。

では、いつもの質問です。

◼️集中できない時の切り札

僕の場合は、集中出来ない時はすぐに作業をやめます(笑)。

いったん場を離れたりして気晴らして戻って来ますが、それでもダメな時には比較的何も考えなくても出来る練習をしたりします。例えば開放弦をひたすらオルタネートピッキングするとかしていると、流石に飽きて何か曲を弾きたくなるんです(笑)。

後は何事もそうですが、目標を持った方が良いですね。明日迄に一曲仕上げるとか、今日中に2、3曲コードをとるみたいに、目標を持っていた方が集中出来ますよね。

◼️理論を実践に昇華させるには?

僕は「ジャズギタースケール練習帳」と言う教則本を出した事があるので、あれなのですが、理論やスケールはアレンジしたりソロを考えたりする時に役立てれば、それで良いと思います。

例えばアドリブは言葉を喋るみたいな物と考えると、フレーズは単語みたいな物で小さい頃に言葉を一つずつ覚えますよね。そして学校に入ってそれは動詞ですとか形容詞ですとか教わります。へ〜あれは助動詞なんだ〜みたいな。それを知ったからといって喋る時に次は形容詞を使って喋ろう何て考えませんよね(笑)。

音楽も一緒だと思います。理論は学んで知っていれば、後付けで良いと思うんです。言葉を喋るくらい自由に弾ける練習をしないといけないですが(笑)。

◼️今の自分を乗り越えるコツ

僕は昔からスランプの時ほど、自分は今進化していると考えるようにしています。

例えばあるプレイをして、それがカッコ悪いと気が付けば、それはそれで進歩だと思うんです。だって進歩していなければ、カッコイイと思ってまたやりますから(笑)。

ちょっと本題と違うかも知れませんが、僕のモチベーションの上げ方をひとつ。

僕は自分のライブをなるべく録音して聴くようにしています。なぜかと言うと、子供の頃から現在もなお聴いているライブ版とかあるじゃないですか。自分のライブが、はたして海を渡って他国の少年が聴いて、何十年も愛聴版として聴いてくれるだろうか?ってチェックするんです。だいたいダメなんですが、、、(笑)。

でもいつか皆さんのお家の様々なシチュエーションに、僕の音楽が溶け込める日が来るのでは、と考えるとモチベーションが上がる訳です。

最後に、音楽は一生出来ます。乗り越えようと思った時点で、登り始めてますから大丈夫です。

◼️ 田辺充邦さん プロフィール

10歳からギターを始め、高校時代からジャズに傾倒し、ジャズギターを宮之上貴昭氏に師事。1985年からプロとしての活動を開始し、1988年に渡米。ニューヨークを中心に多数のミュージシャンとセッションを重ねる。

1999年、岸ミツアキ・トリオで、カリフォルニア州・コンコードジャズフェスティバルに出演。 カウントベイシーオーケストラ、ローズマリークルーニー、マンハッタントランスファーなどと同じステージに立つ。

阿川泰子/八代亜紀、森口博子、岸ミツアキ/LOVE NOTES等、ライブやCD・DVDなどのレコーディングセッションにも数多く参加。LOVE NOTESではTV番組のアレンジやCMソングの提供、CMにも出演。PPMのPaul StookeyとLAでレコーディング。
テナーサックスのスコットハミルトン、ハリーアレンやピアニストのノーマンシモンズ,のツアーに参加。スコットハミルトン、ピアニストのジョンバンチとのレコーディングにも参加。
八代亜紀のジャズアルバム、夜のアルバム、夜のつづきの二枚でギターを担当。
最近では香港のアーティストVincy ChanやKwangorのレコーディングに参加。

また教則本の出版や音楽雑誌の試奏レポート等、他分野で活躍。
ビンテージギターのコレクターとしても有名。
最近ではSignature Model Yamaoka guitar MT17を使用。

2004年リーダーアルバム、Bernie’s Tuneをスキップレコード より発売。
チェロとギターのユニット田辺商店でBossa Cradle,Get on a swingを発売。
最近ではラジオ番組のパーソナリティとしてレギュラー出演中。

ウェス・モンゴメリー、バーニー・ケッセル、フレディ・グリーン、などを敬愛し、ソロギターからビッグバンドのアンサンブルに至るまで、幅広いスタイル をこなすプレイヤーとして定評がある。

◼️最後に(編集者から)

田辺さんのライブに伺った際に、手売りされてたCDを購入したのですが、女性ストリングユニット(チェロ、バイオリン×2、ビオラ)との共演で、伺ったライブとは全く別世界なアルバムでした。プロフィールを見ても、そのレンジの広さに感心してしまいます。

「言葉を喋るくらい自由に弾ける練習をしないといけない」「昔からスランプの時ほど自分は今進化していると考えるようにしている」と、インタビューでの田辺さんのコメント。刺さるメッセージですねー

田辺さん、ドラマや映画音楽など、お仕事が立て込んでいるなか、無理を押してのインタビューご協力、ありがとうございました。

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