GoToトラベルキャンペーンの対象期間は、2020/7/22〜2021/1/31宿泊まで。国予算が消化されてしまった時点で終了。事業者ごとの予算枠があって、既に割引終了した宿泊予約サイトもあるそうです(10/25現在)。折角だから、ノンビリ温泉でも行きたいところ。
ところで、こんな経験、ありませんか?
「明日からの旅行。普段なかなか弾けない分、ギター持っていきたいなあ。でも、荷物カサ張るから止めとくかあ」
「今日のセッションはボーカル入り。ボサノバ曲も演るだろうなあ。フルアコとガットの両方持ち込みたいけど、2本持ち込むのは死んじゃうから止めとこう」
車で移動される方は、ギター何本でもトランクに積んでおけば良いのですが、電車やバス、徒歩での移動となると事情も異なります。
■トラベル用ギター購入の注意点
私はドライブや旅行用に、トラベル用のギターを1本持っています。買ってみて、また持参してみて、感じたこと。
・弦長(=ネック長)がショートスケールのギターは、コンパクトだが弾きづらい。
→ 思い通りに指が動かせずストレス増。結果的に持ち出さなくなる。
・家でガットを弾くなら、エレガットやクラシックギターで良い
→ わざわざ弾きにくいギターを選ぶ必要もなく、トラベル用のギターは壁に吊ったまま。
トラベル用ギターは弾かれることなく、壁飾りになっています。でもやっぱり使ってあげないと、楽器に申し訳ない。楽器を買う際は、用途など見極めて購入しないとね。
今なら、こんなことを考えます。(人によって異なる前提で)
・弦長(スケール)は、ミディアム(フルアコやレスポール)か、ロング(ストラト)で。
・ジャズセッションに持ち込むなら、ピックアップ内蔵が便利
・コンパクトに収容できる。ギター2本持ち込みにも耐えられる。
・マトモな音がする
そんなギターあるのか?と思って見渡してみると、意外にありました。
■エレキギターなら?
電気ギターとしては、STEINBERGERが有力候補になりそうです。
現在、STEINBERGERはGibsonの傘下なのですね。知りませんでした。長年、磨かれてきたブランドゆえ、信用できそう。
■エレガットなら?
エレガットでは、私の知り得る限り、ヤマハのサイレントギターSLG200シリーズが最有力候補ではないでしょうか。
このギター、片側のフレームが取り外せること、ご存知でした?フレームを外してみるとサイズが3/5のサイズに。検討対象として充分です。
今回、ヤマハさんからサイレントギターSLG200シリーズ2本をお借りしました。SLG200S(アコギ)とSLG200N(ガット)の2モデル。
(仕様)
サイズ:幅356mm、長さ970-978mm、厚み85-87mm
質量:2.1kg
本体:マホガニー 、棹:マホガニー
指板:ローズウッド/エボニー
弦長:(SLG200S)634mm (SLG200N) 650mm
指板幅:(SLG200S)43〜55mm (SLG200N) 50〜60mm
(SLG200NW)52〜62mm
駆動:AC電源、または単3×2本
■好き嫌いが出るか..完成度高い躯体デザイン
・ガットギターは、音と視覚と文化が、概念として融合し既知されています。よって見る側に、無意識に期待する固定概念(デザイン)が存在します。
その点、SLG200シリーズのデザインには好き嫌いが出そう。本格ボサノバ のライブだと、ちょっと違うぞ、なんてことになるかも。一方、従来のガットギターの固定概念を超えた新しい楽器と捉えると、評価すべきデザインかと。
ボディのないフレームだけのデザインは、バランスを取るのも難しかったと思いますが、デザインの完成度は高いと感じます。
ヤマハさんが初めてフォークギターを発売したのは1966年。サイレントギターの発売は2001年。一般的なトラベルギターには、デザインがザックリしたものも多いですが、SLG200シリーズには、経験に裏づけされた余裕すら感じられます。
・座った状態で脚の上に置いてみると、ボディの厚みが無い分、ソリッドギターを抱えている感じに近いです。
■重量は普通のガットギター程度
・ストラト(3.5kg前後)やレスポール(4kg前後)と比較すると、胴体がない分、半分くらいの重さになります。
・普通のガットギターと比べると、胴体が無い代わりに電気系が付属しているので、同等の重さ(2kg前後)に収まっています。
・実際に持ってみても「軽い」「重い」も無く、自然な印象でした。
■解体すると3/5サイズに
・片側のフレームが外れるため、解体すると、サイズが3/5くらいの幅になります。袋に入れてみると、ライフル銃くらい(?)の大きさ。
■弦長はロングスケール
・SLG200シリーズの弦長は634〜650mm。【参考】Ibanez GB15(フルアコ)628mm
・フレット幅(間隔)は、数mmの差であっても、演奏感に大きく関わります。狭い方が弾きやすいように思うかもしれませんが、実際には弦の間が詰まっているため、クローズドボイシングコードやフレーズの運指に影響することも。その点、SLG200シリーズは、ショートスケールのようなストレスがありません。
■ナット幅
・ナット幅は、アコギ型SLG200Sが43mm、ガット型SLG200Nが50/52mm。SLG200Nは、実際に握ってみると、所有するクラシックギターほど幅広な感じがしません。エレキギターを弾き慣れた方にも弾きやすい。ネックシェイプがやや薄くしてあるのかな。
【参考】 GB15(フルアコ)42mm、duncan(ストラト)41mm、Orpheus Valley(クラシックギター)50mm
■最後に(編集者から)
今回のテーマについては、「旅先くらいはギター漬けから解放されようよ」とか、「いやいやギター1本あれば、なんとかなるよ」など、真っ当なご意見もあるかと思います。ただ、手を替え品を替え、ギターに向き合う時間を創るのが、寄り道のお役目。どうか大目に見てやってください。
僭越ながら、予想以上にSLG200Nは、設定した条件にフィットするギターだと実感しました。記事を書いていて、のんびり温泉行きたくなりましたが、実現前にGO TOキャンペーンが終了してしまうかも。
私にとっては意外性のあった楽器だったため、SLG200N(ガット)の所感については、次回の記事で、より詳しく紹介したいと思います。ご興味ありましたら、コチラもお読みください。↓
https://jazzguitarnote.info/2020/10/28/gut-4-silent-guitar/
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この「寄り道ノート」投稿も、今回で101記事目になります。お立ち寄り頂き、ありがとうございます。正直、そんなに書いたかなあという感じ。ノラクラやっている証拠か。ネタが尽きない間は続けてゆこうかと。今後とも、宜しくお願いします。
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