超亀足ながら、私のギター演奏力も上がってきているように思うのですが、今だにジャズセッションに行く際は勇気が必要。もちろん行きたいと思って行っている訳なのですが、圧倒的な実力不足に場数不足、ジャズ知らなさすぎが原因です。
初見だったりテンポが限界値を越えると、オタマジャクシ読めず、コードチェンジに追いつけず、終いにはロストしちゃう。イメージしているジャズに近づくのは、いつのコトになるのやら。
さらには先輩諸氏のコメントや無言圧、場の空気も迫ってくる。「現代的な曲(調性あいまい、頻繁なコードチェンジ)じゃないとツマラないんだよね」「こんなテンポじゃあ、かったるいなあ」「レベル低いのに当たっちゃったなあ」とかとか。気にしてちゃ始まらないから、覚悟はしていても、「あー来るんじゃなかった。早く帰りたい」なんて思ったこと、一度や二度じゃない。
クソーと思って、録音聞いて課題を認識して、よし行くぞーなんて再奮起して、参加してみたら、また玉砕して。なんてことの繰り返し。でも、それでようやく少しづつギターが上手くなっている気がするから仕方ない。もっともっと自由に弾けるようになりたいなあ。
◼️稀なコンセプトの教則本
まあ、そんな甘っちょろい前置きはさておいて、今回は聞くに聞けない「ジャズセッション」のコトを教えてくれる教則本です。
「ジャズ・セッションのルールブック」
水野正敏著、シンコーミュージックエンターテイメント(2015)、税込¥2,160-
■目次
第1編 ジャズ・セッションとは
(1)セッション全体のルール
– 全体の構成と部分ごとのルール
– リズム形式ごとのルール
(2)構成部分の解説
– カウント方法
– イントロ方法
– 最初のテーマ(ピックアップまで)
– アドリブ
– 最後のテーマ
– エンディング方法
– 合図の方法
– 編成による全体のルール変化
第2編 曲別ルール
(1)定番曲
– ブルース
– 循環バップ(Oleo)
(2)イントロがない曲
– 枯葉(アウフタクトあり)
– Milestones(アウフタクトなし)
(3)決まったイントロがある曲
– All the Things You Are
– On Green Dolphin Street
(4)ボサノバの定番曲
– The Girl from Ipanema
◼️感想
目次を見ただけで、買いたくなった方、いらっしゃるのでは?
セッションで、不安だったコト、今だに分からないコト、沢山あります。「Aは440?442?441?を確認したいのだけれど、でもなんか聞いちゃダメな雰囲気」「イントロ頼まれたけど、テンポやアタマを伝えられるかなあ」「アドリブって何コーラスぐらいが適当?」「エンディングって、誰が、どうやって決めるの? 擦り合わせもしないで、どうして合わせられるの?」「教則本にも書いてないし、エンディングフレーズって、どんなものがあるの?」とかとか。
学生の時からジャズ研に入っていたりすれば、先輩が手取り足取り教えてくれたりもしたのでしょうが、大人になってからのジャズセッションデビューは辛いもの。聞くに聞けないことだらけ。この本を読むと、私と同じ遅スタートの貴方も、少しだけセッションの敷居を下げることが出来ます。
セッション慣れしている方にも、新たな発見があるはず。オススメの1冊です。
◼️最後に(編集者から)
余談ながら、最近、ブログ執筆やセッションを控えて、基礎練に時間を割いていました。ドレミーとかドミソーとか。創造的な練習ではないので、工夫しないと、集中力を保てません。でも、小手先のテクや凝ったフレーズ覚えるよりも、足腰を鍛えておくと、結果的に良いフレーズを引き出しやすくなることが、改めて分かってきたんです。今更ですけど。
さらに最低限の現場対応力に自信が持てるようになると、落ち着いて演奏に向かえる。それがとても大事で、どこかに不安を抱えての演奏は、モロに結果に出てしまう。何事も足腰の強化は大切ですね。
さて、またセッションに行ってクソーと注入しないといけない頃なので、この本も読み返しておこうっと。
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