「jamstik+」ご存知ですか?
https://jamstik.com/
jamstik+は、iPadやiPhoneなどとBluetoothで接続して音を出します。とにかくコンパクトなので「あ〜、明日から全国ツアーだけどギター背負って回るのは面倒だなあ〜」なんて方は、このjamstik+とスマホを鞄に忍ばせておけば心配無用(自己責任で)。ステージでの飛び道具をお探しの貴方にもピッタリです。
■単体では使えません
jamstik+はmidi入力端末であり、実際のギターと構造が異なります。
外観からは分かりづらいのですが、jamstik+のフレット部分とピッキング部分の間にあるカバーの下にブリッジがあって(下写真参照)、「ピッキング」と「フレット押弦」の入力を、別々に拾う構造になっています。ブリッジによって、それぞれの振動が遮られてしまうため、ピッキングした時に聞こえてくる生音は、何フレットを押さえても音程が変わりません。この点は、実際にギターを弾く方には慣れるまで違和感あるところでしょう。

カバーを外したところ(ブリッジ部分)
■早弾きには不向き
弾いてみての反応は下記の通り。
- 「ハンマリング・オン」「スライド」は無事に使えました。予想以上に反応が良いです。
- 「ベンド(チョーキング)」は予想より電子音的。どのようなセンサーが組み込まれているか分かりませんが、作曲ソフト上でベンドさせた感じに近い。ベンドしないジャズには向いているかも。
- ちょっと早弾きすると発音がついてこれません。「早弾き」を封じたい時やモチーフ重視のトレーニングに向いています。スワイプなどの早弾きにも適しません。
- ネック長が短く、実際に使えるのが5フレット分なので、演奏の制約あり。弦のチューニングとスケールのことを考えたら、もう1フレットあったら良かったのに。Drop2やDrop3などのストレッチタイプのコンピングにも向きません
■iPadとJamstik+の接続はあっけないほど簡単
(1)iPad「iRealPro」で使う
iRealProはJazzスタンダードを自動伴奏してくれる優秀なアプリです。iRealProで伴奏を鳴らしながらjamstik+を弾いてみましたが、♩=100の速さで、8分音符で弾くと、発音がコボれるところがあり、16分音符だと発音がついてこれず、フレーズとして成立しない。前段にも書きましたが、jamstik+で演奏すると、必然的にゆったり弾くことを強いられるため、モチーフ・メロディ重視の落ち着いた演奏になります。
(2)iPad録音アプリで使う
思いついたフレーズをチョコッとメモ録音できます。操作がとても簡単なので、フレーズメモ機能として有効。譜面が書けなくても、読めなくても使えます。
(3)iPad「YouTube」で使う
ギターをYouTubeに乗せて弾く、なんて経験ありますよね?YouTube+jamstikも、期待を裏切らず、動画流しながら演奏が可能。お好きなアーティストとの共演も思いのまま。
(4)MacBook「Guitar Pro」で使う
jamstik+を弾いてみると。。おおっ! 音符が出現!音符入力がサクサクできます。これは便利。感動です。ただ設定方法がよく分からず、音を出せませんでした。YouTubeでは鳴らしている方がいたので、私の理解不足だと思います。
音符の長さは後で調整する必要がありますが、TAB譜と五線譜が一度にサクサク出来てしまうのは気持ち良いです。手入力と比較したら、楽チンさは革新的です。ギターは弾けるけど、五線譜に落とすの面倒!!という方、midi入力で五線譜&TAB譜起こしがサクサクですよ!!!これはオススメです。
■最後に(編集者から)
移動中や移動先でフレーズや伴奏のアイデアを思いつくことは、誰しも経験あること。むしろギターを抱えていない時に「降りてくる」ような気もします。jamstik+は5フレット分しかないので、多くを期待するには無理がありますが、外出先で「フレーズの運指」や「伴奏アイデア」を確認するツールとして役立ってくれそうです。特にGuitarProの入力ツールとしては期待できます。
「jamstik+」
- 41.7 × 8.9 × 4.6 (cm)、709g
- 充電式(USB/Micro USBケーブル同梱)、 平均8~10時間の連続使用可
- Bluetooth接続、USB接続
- ¥29,800(amazon,2019/02/07)
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