歌伴どうですか?❷成川さんに聞く

東京倶楽部というジャズクラブをご存知でしょうか。水道橋・目黒にお店があって(かつては千駄ヶ谷と本郷にも店舗があったそうです)、それぞれのお店で、毎週、多様なセッションが開かれています。今回、お話を伺う成川修士さんとは、2019年に、目黒店でセッションホストをされているときにお会いしました。

東京倶楽部 https://tokyo-club.com/session/schedule.php

成川修士さん

東京倶楽部HPには、成川さんのセッションについて「Jazz 歌伴もインストも大好評です!」と紹介されています。残念ながら、私が伺った日はボーカルの方がいらっしゃらず、成川さんのナマ歌伴デュオをお聴きできなかったのですが、私のなかには「成川さん=歌伴のひと」というイメージが刷り込まれました。

そんなことで、成川さんのお話、楽しみです。早速お伺いしましょう。成川さん、宜しくお願いします。

◾️みんな歌好き。歌伴は楽しいに決まってる

人間として産まれて音楽の一番最初って歌だと思うのですが、なのでみんな歌好きですよね、きっと。歌が嫌いで、歌のある音楽なんか、絶対に聴かないという人がいたら、是非どんな音楽を聴いて育って来たのかを教えて頂きたい。それはそれでかなりの希少価値がありそうです。歌が好きな人が歌って歌が好きな人が伴奏する、楽しいに決まってます。

◾️まずは好きなジャズのアルバムを

ジャズをやりたいなら、アメリカのジャズのアルバムを。ボサノバやその他ブラジル音楽をやりたいなら、ブラジル人のアルバムを。まずは、それぞれ好きなアルバムを聴くのか1番ですね。なのでエラ・フィッツジェラルドとジョー・パスのアルバムでやっているアントニオ・カルロス・ジョビンの曲なんかは、ボサノバでは無くて、ジャズと思って聴くのが良いと思います。

◾️歌伴のマスターには、まず曲を知ること

曲をちゃんと知るのが1番ですが、ちょっとスタンダード曲が多すぎて、なかなか追いつきません!それでも研究し続けるのが大切かと思います。

◾️カッコ良いイントロをコピーする

定番から初めて、曲のメロディーやコードも使えるようにしたり、かっこよいと思った人のイントロをコピーすると良いと思います。あとはタイム感をひたすら良くする努力。

◾️歌がどうやったら輝くか

かなり出来るボーカリストと演奏する時は、その歌がどうやったら輝くのかを考えながら、楽器の人と演奏する時となるべく変わらないくらいの気持ちでやります、僕は。

◾️間奏は歌に戻ってこれる範囲で

ほとんど単音で間奏を弾いてると、かなりの歌心やタイム感など鍛えまくる必要があるので、自分自身の修行にはなります、ほとんどコードバッキングだけで終わる人もいます。コード入れて単音入れて、という感じだと必然的に音楽的になったりします、ケース・バイ・ケースで、ちゃんと歌が戻って来れるようにやりましょう!

◾️メトロノームを活用したステップ練習

メトロノームを使って練習した後は、その倍くらい、メトロノーム無しで練習すると、メトロノームに頼らない演奏ができるかも。

◾️最終的には自分の音楽に

歌伴の声が掛かるには、まず、何事も自分の修行です。自分かうまくなれば一緒に演奏する人は楽しくなるはず。

ぼくはジャズもボサノバ、ロック、ブルース、ファンクその他そんな違いは感じていません。ただ難しい音楽と、そのまま演奏するなら割と簡単な音楽などありますが、結局最終的には自分の音楽にできたら良いなあ、と思っているだけ。

歌伴とかインストとか、ほとんど同じ感覚です。ソロが長いか短いかくらいの差かな。沢山練習して沢山音楽聴いて沢山コピーして沢山人前で演奏する。質問対する答えにはなって無いですがまあそんな感じで!

◾️教室、セッション、ライブ。お立ち寄りください。

国立と羽村にある音楽の森Kという音楽教室で教えてます、今どきそんな値段なの?というくらい安い気がします。良かったらお越しください。

http://www.ongakunomori-k.com/

◾️成川修士さん プロフィール

大阪府岸和田市出身。23歳で上京、武蔵野音楽院に新聞奨学生で入学、このときにジャズに目覚める。2年間でロック科とジャズ専門科を卒業、1年間、学院長奨学生として特別授業を受ける。

2002年ギブソンジャズコンテストでグランプリを受賞。2003年ファーストアルバム「ギター三昧」を発表。ドラムス坂田稔氏のアルバム、女優、宮本信子さんのCD&DVDに参加。映画「13通目の手紙」の音楽を担当。2006年10月、嶌田憲二との双頭アルバム「さんぽ道」をリリース。2011年4月発売、南部のぶこデビューアルバム「Colors of My Life 」全曲アレンジ・全曲参加。10月19日発売、平井あみ「Quiet Nights」10曲中9曲をアレンジ 9曲に参加。2012年7月、ピアニスト板垣光弘との双頭DUOアルバム「Bird & Wind」をリリース。2018年11月発売、南部のぶこ2NDアルバム「Moon」全曲アレンジ全曲参加。2020年8月19日、リーダアルバム「3人囃子~guitar trio~」リリース。2022年8月24日、ニューアルバム「せぴあ」発売、完全アナログ一発録音+LIVE録音2曲=全9曲、飯田雅春(B)安藤正則(D)。故藤原幹典さんのバンドや林栄一さん高橋知己さん寺下誠さん本田俊之さん峰厚介さん竹内直さんなどとの共演などを経験。

◾️最後に(編集者から)

「歌伴の声が掛かるには、まず、何事も自分の修行です。自分かうまくなれば一緒に演奏する人は楽しくなるはず」というメッセージ。何事にも通じる摂理ですね。

さらに私には「沢山練習して沢山音楽聴いて沢山コピーして沢山人前で演奏する」の「沢山人前で演奏する」部分が響きました。

成川さん、お忙しいなか、取材ご協力ありがとうございました。歌伴連載の第2弾は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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