「個性を磨く」「自分らしさ」をテーマにした、ギタリストお二人による対談企画。井上智(さとし)さんと高免信喜(たかめんのぶき)さんにお話をお聞きしています。後編も面白い展開になりました。
(参考)達人に聞く vol.14 井上智さん
https://jazzguitarnote.info/2021/05/30/satoshi-inoue/
(参考)達人に聞く vol.10 高免信喜さん
https://jazzguitarnote.info/2020/02/14/takamen-nobuki/
注:【井】井上智さん×【高】高免信喜さん、進行:【田】田中直樹(編集者)
◼️自分に素直に。出したい音を自然に出せるように
【田】お二人は生徒さんに対して「個性」について、どう導いていらっしゃるのですか?
【高】僕の生徒さんのなかには、ジャズやアドリブを始めたばかりの方も多いんです。YouTubeの動画を「ジャズを始めた頃の自分に」というイメージで作っているので、それを見てきてくださる方。もちろんすでにジャズをしっかりと弾けるけど伸び悩みしている方も来てくださっていて、その2つに分かれますね。
上手い、上手くないというのは、個性においてリファレンスにはならないじゃないですか。ブラッド・メルドーがいて、セロニアス・モンクがいて、ブラッド・メルドーは凄いテクニックあるから上だとは、音楽の場合ならない。なので、生徒さんには、出したい音を自然に出せるように、意識してもらうよう伝えてますね。
早いテンポでドナリーを弾ける人に、何か弾いてくださいと言うと、何も出てこないということもあります。それは、指で覚えたものを弾く練習だけしているときに起こりやすいことだと思います。このフレーズを、この速さで弾こうと思ったら弾けないとか。その速さで弾けないのに無理に弾いても、音楽的にはカッコ良くはならないと思うんです。アップアップしてしまって。なので、無理して演奏するのではなく、自然に自分から出るフレージングをすることのほうが大切なんです。
或いは、チャーリーパーカーは、その早いフレーズで、何をしたかったのかを考えてもらうようにしていますね。例えば、ナイト・イン・チュニジアの最初の早いフレーズなど、僕も頑張れば弾けるかもしれないけれど、それを演るよりも、彼はあそこで何をやりたかったのか、を意識することが大事なんじゃないかと。もちろん、弾けるようになることも大切なんですけどね。
なので「素直になってもらう」ということですかね。
◼️基礎は基礎で固めつつ、好きなことを追求していく
【田】智さんは、どのように教えていらっしゃいますか?
【井】生徒さんのレベルにも拠るとは思うんですけど、あるレベルに到達するまでは、その人らしさを引き出そうとは思わないですね。それよりも「ココは押さえてください」という基礎を確認します。そのなかでも人によって、興味を示すところが違うので、相手の意見を聞きながら、進めていくようにしています。理論的なことに興味を持っている人もいるし、セッション参加に興味をもっている人もいるし。ジャズギターと言えど、皆な考えていることは違うので。そこをレッスンで汲み取りながら、でも押さえるべき基礎は「コレはやってください」って。
あるレベルのところまで行った人には、「あなたの演ってみたい曲は何ですか?」と聞きますね。積極的な人は「次はコレ演りたいんですけど」と自分で持ってきてくれるんですね。で、お互いに、その曲を勉強していく、という。それぞれ曲の好みもあって、コルトレーンの曲が好きな人、バップが好きな人。或いは皆なが演らない難しい曲を演りたい人。色々な人がいますね。知らない曲を持ってきてくれたりしたら、こちらの勉強にもなってます。
あとジャズギター習得は時間がかかることなので続けてもらうことが大事ですよね。基礎ができた上で各自、進みたい方向が見つかったら続くんじゃないかな。
【高】ジャズギターをやりたいひとのなかでも、例えば、ブルースをやってきて、ブルースをジャズ的に発展してゆきたい、という方もいれば、いきなりジャズギターを弾きたいという方もいます。智さんがおっしゃっるように、基本としてできていないところは押さえつつも、演りたい曲をやるようにしています。
最初にブルースをやったあとは、直ぐに演りたい曲をやっているかもしれませんね。ブルースと、演りたい人にはマイナーブルースは、必ず最初に演るようにはしていますが。
【田】とはいえ、ブルースも、レベルに応じて奥深さがありますよね。
【井】そうそう、奥深いし、スロー、3拍子、モーダル、ファンキーなどなどいろんな種類がある。
◼️自分らしさは誰もが持っている。やり続けたら自分の音になる。
【井】個性ということで思い出したんだけど、「Find Your Voice(自分の声を見つける)」というコンセプトを、学生時代に、ものすごく意識していたことがあったんですね。例えばグラント・グリーンの音を聴けば、彼だとすぐ分かりますよね。あ、これはジム・ホール。これはバーニー・ケッセルってね。そういう自分の声を見つけるということに凄く悩んだ時期があります。
でもあるところで諦めて、「もう自分らしさって、既にもう出てるんやないか?」と。
僕の声があって、高免くんの声があって、実はすでに異なるものを持ってるわけだけだから、そこをやりつづけたら、その悩みは解消するんじゃないか、という風に考えましたね。学生時代に。
あと作曲を積み重ねると、自分らしさが見つかるんじゃないかと思い、そこは結構頑張りましたね。
◼️アンサンブルでは音の風通しを考えている
【田】アンサンブルのなかでの自分表現ということでは如何ですか?
【高】自分の音楽的な立ち位置にもよると思いますが、自分のバンドのトリオで演奏するときは、メロディとコード、カラーを意識します。その上で、ベースとドラムがいるので、音の風通しという風に考えているんですけど。いい感じの隙間ができつつ、皆なで茶々が入れられるように、というのが自分が考えている自己表現ですかね。
被り過ぎると、音の像が崩れてしまうという印象があるんです。もしかするとレッド・ツッペリンとかロックを聴いていたころのアンサンブルの感じが好きなのかもしれませんね。ロバート・プラントが歌っているところで、ジミー・ペイジがちょっとギターのパートを取っているとか。そういった棲み分けというのは、楽器に関わらず大切なことのように思いますね。
破天荒な演奏には少し控えめにするという単純なことではなくて、棲み分けができていたらいいんです。ボーカリストのレンジで破天荒なことをやるのか、ベースのレンジで破天荒なことをやるのか、関係するし、一緒に破天荒に動いてるほうがカッコいいこともありますよね。
◼️ギターは色んな食い込み方ができる楽器
【井】アンサンブルの中でのギターというのは、とても大切なものの見方ですね。ソロギター以外は、いろんなアンサンブルの形態がありますよね。デュオから始まって、トリオ、カルテット、クインテット、最終的にはビッグバンドまで。その形のなかで、ギターがどう自己表現するか、あるいはどういう役割を求められているか。ギター自体が、ソロ楽器であり、伴奏楽器でもある、というところが面白いと思うんです。
ジム・ホールを聴いていると、いろんなアンサンブルのなかで、彼が立ち回りをしている、棲み分けをしているということが分かったんです。ピアノとデュエットするときは、どんな形になっているかとか、彼はビックリするくらい、伴奏者としても優れていて、高免くんが言っているように、黒い色を提示している人がおったら、そこに黒い色をぶつけないというか、破天荒に破天荒にいかないというか。そういうフレキシビリティを持った人だった。そこを学びたいと思ってましたね。
彼は変則的なジャズアンサンブルで抜群の自分らしさを逆に出すんですね。例えば、彼が演ってたジミー・ジュフリー・トリオというのがあるんですけど、ギターとトロンボーンとクラリネットで、ドラムもベースもいないバンドとか。そういう変態トリオみたいなのが得意なんですね。抜群の存在感を出してくる訳なんです。
もう一つ変わった編成ではミッシェル・ペトロチアーニとジム・ホールとウェイン・ショーターの「パワー・オブ・スリー」という名ライブアルバムがあります、ピアノとギターとサックスの組み合わせでベースも、ドラムもいないし。そこではギターがドラマー的なことを演ったりとか、ピアノがウォーキングベースを担当したりとかアンサンブルのなかで、歯車として機能しながら、それぞれが別々の歯車として存在感を出す。そういう面白さがあるんですね。
そういうのを学びたいと思いましたね。伴奏楽器としてのギターというのは、奥が深いと思いますね。
【高】そうですね。ジム・ホールのそういったところは素晴らしいですね。ジム・ホールは、伴奏者がこう来るから、こういうソロをとろう、といったことを意識されていたんでしょうか?
【井】相互関係については、いつも話をしていましたね。絵画に例えて「赤い花瓶を描くときにバックは何色にする?同じ色では目立たないよね」とか言ってね。アンサンブルとして、相手が高い音を出していたら自分は低い音を出すとか。相手が連続して音を出していたら、自分は刻むとか。具体的な奏法のことは言うんじゃなくて、もっと大きく捉えた表現で、彼は説明してましたね。
実際、ギターは色んな食い込み方があるよね。フレディ・グリーンはリズムだけでビッグバンドの中で大事な役割をしていた訳だし。ボサノバのバンドのギターも役割がある。アンサンブルの中でのギターというのは、ひとつのトピックですよね。
よくクリニックなんかで「ピアノとギターがブツかるんですけど、先生、どうしましょう?」みたいな質問が出てけーへん?高免くん。(高:出ますね)
【田】どう答えてるんですか?
【井】音楽のスタイルにも拠るんですよね。例えばアントニオ・カルロス・ジョビンのWAVEを演ってて、ギターがリズムを弾いてたら、ピアノは和音を弾かずにカウントベイシーみたいに、オクターブでメロディを演奏してみたらどうか、とか。
たとえば管楽器が激しめにソロをしてて、ピアノの伴奏がマッコイ・タイナーのような、左手で低音をガーンと弾いて、右手で4度堆積で分厚いコードで盛り上げてるというようなときに、ギターは何して音楽に貢献します?ピアノと同じことは演りませんよね。そこはエフェクター踏んでグィーンとロングトーンでバンドサウンドに色付けするとか。なんやろ、そんな感じ?(笑)
あとやっぱり大事なことは、常に音を出してなくちゃと、思わないほうがいいよね。昔、ジョンスコのピアノ入りバンドを聴いてたら、ギター弾くの止めてたりするんですよね。
ピアニストに、あえて話をする手もあるね。「次、サックスのソロのとき、ギターがメインの伴奏になるんで、ちょっとピアノはサブ的に考えてくれるかな。トランペットのときは、ピアノが伴奏メインでギターがサブ」とかね。そういうのはお互い無意識にできたら、一番いいんですけど。ギターのことを分かってくれるピアニストばかりでなく、もう自分のことで必死なピアニストもおるから。だいたいピアノにギターは負けるんで(笑)。
◼️ メロディを提示する人に寄り添う
【田】ライブの組み立て自体も、重要な個性の表現ですね。
【高】僕は先にセットリストを作ってますね。ジム・ホールのインタビューを読んで参考にしたんですけど。誰かが弾いているときに、これくらい時間あったら、次はこうしようかな、とか下世話な話は考えてますね。
【井】あるよね。プロフェッショナルとして。3曲、ブルースが続くとヤバイとか。ミディアムテンポが2曲続いたら、早いの演ろうか、とか。
【田】相手のスタイルによって、やりやすい、やりにくいなんてこともありますか?
【井】デュオのシチュエーションで、相手に対してたとえば「こいつ、コンテンポラリスタイルやなあ」といったことはあまり意識しないですね。基本はメロディをプレゼン(提示)する人に寄り添います。できないことはできないけれど、可能な限りね。あえて喧嘩はしないですよね。例えば、ジャンゴ・ラインハルトスタイルの人と、凄いコンテンポラリな人がやったらどうなるか、というのは面白いけどね(笑)。そういうのを越える力というのは、ミュージシャンはそれぞれ持っていると思うな。スタイルを前面に押し出しているプレーヤーもいるけども、もっと人間と人間という感じになるんじゃないかな。
◼️日本人というルーツについて考える
【田】話変わって、ニューヨークで演奏されていると、日本人というルーツについて、聞かれたり、意識されたり、ということはあるんですか?
【高】生活の端々で、人種のことを感じることはありますけど、ニューヨーク自体、色んなところから来ている人がいるので、意識はしますが、だからと言って、僕が聞いたこともない三味線や和太鼓とかを取り入れるのは違うのかな、と(笑)。
【井】まず、自分が意識していなくても、エイジアンとして見られますよね。かと言って、自分がどうするかと言うと、何も出来ないですよね。音が始まると関係ないと思うし。
日本の曲を演ったりはしてましたね。またジム・ホールの話になってしまうけど、彼とビレッジバンガードに2人で出ることになったときに、なんと大先生は「赤トンボ、演ろうか?」と言い出したんですよ。アレンジされてはいるんですけど。「えっ??」と驚いて。日本人の私と演ることを、絶対、意識はしてたと思うんですよね。
彼と教則ビデオを制作したときに、スケールについてのコーナーがあって、ペンタトニックスケールの話になったんですよ。そこで「こんなペンタトニックスケールは日本の音楽にも使われているよね」と振られたことがあったんです。その時点で僕はジャズ一辺倒で、日本の音楽のことなんて全然考えてないし、ビデオの中で戸惑って「えっ?、あ、うっ、そ、そうですかね」とか狼狽えた瞬間があったんですね。で「君は自分の国の音楽をもっと勉強したほうがいいよ」とズバリ言われて。それは教則ビデオの中に残って永久保存されてるんで(笑)。それからルーツについては考えるようになりましたね。
話はそれますが、ニューヨークにいるときに、寿司屋でウエイターのバイトやってましてですね、凄い高いメニューがあるんですよ。「寿司・刺身・コンビネーション」という。寿司と刺身が一緒に大皿に載っている、こんなの日本にないでしょう?(笑)日本はどっちか決まっているよね。それを私はバーンって落としたことがあるんですよ。フロアに高価な寿司と刺身が落ちて、皿も落ちて「あっぎゃー」って。その時の思いをブルースにしたんです。「寿司・刺身・コンビネーション・ブルース」ていう曲。そんなことで、ニューヨークで日本を意識することはありますよね(笑)。
去年、アメリカでは「Black Lives Matter」(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命も大切だ)とかいろいろあったよね。海野くんが地下鉄で被害にあったりして。高免くん、どう?
【高】あの頃は、やっぱり公園にいてもエイジアンヘイトのような空気を感じることはありましたよね。ただ、ニューヨークは色んなところから人が来ていて、逆にニューヨークの人を探すのが難しいじゃないですか。むしろ地方に演奏に行ったときですかね。日本人ドラムが「箸でドラム叩いてんの?」とか馬鹿にされたことがあったり。でもそれは今はしょうがない。時間をかけて変えていくべき問題だと思いますが、地方に行けば行くほど多いような気がしますよね。
◼️「日本人にはジャズは無理」なんてことはない
【田】「日本人にはジャズは無理」と言われるようなことはないですか?
【高】秋吉さんがいて、増尾さんがいて、井上さんがいて、という感じで、これまで偉大な先人の方々がいて、今があるので、僕自身は日本人だからジャズを演奏できない、と思われたことはないと思います。智さんがおっしゃっていたように「音出せば同じ」という風に見られている気はしますね。
【井】ニューヨークに関して言えば、割とミュージシャンは、日本にジャズが根付いている、というのを知っているし、皆な日本に行きたがるよね。そういう意味で、ある程度、日本はリスペクトされている、とは思いますよね。ちょっと思い出したんですけど、黒人街のクラブで演奏する機会があって「僕たちの音楽を演奏してくれて、ありがとう」と言われたことがありますよ。
◼️コロナが明けたら、日本でデュオ演奏を実現したい
【田】あっという間に残り時間わずかになってしまいました。これからのこと、お聞かせいただけますか。
【高】コロナが収まったら、いろんなところにツアーに行きたいですね。あとはコロナがあって、いろんなひとにYouTubeで教えることで、凄く自分の熱中できることが見つかった、というか、いろんな人とジャズギターの人たちとコミュニティを築けたら、というのはあります。あと、智さんには、僕のYouTubeチャンネルに、ゲストとして出て欲しいです。デュオをまた演りたいですね。
【井】いまやっていることを続けていたいと思いますね。自分らしさを探究したいですね。高免くんの足元にも及ばないんですけど、コロナになって、YouTubeでソロギターを始めたんで、これも進めたい。あと、月に1回、スーパーデュオシリーズというのを始めてましてですね。いわゆる無観客配信ライブを千葉県のスタジオでやってるんですね。来月はピアニスト椎名豊さん、その次の月はボーカルの中本マリさん、そしてギター浅利史花さんと演る予定なんです。今までやったのは、中牟礼貞則さん、増尾好秋さん、バイオリンの北床宗太郎くん。ここに高免くんもお呼びして、やってみたいな、と。
【田】高免さんの凱旋、智さんとのデュオ演奏、楽しみにしています。今日は刺激的なお話、ありがとうございました。
【井】ありがとうございました。高免くん、元気でねー
【高】ありがとうございましたー
◼️最後に(編集者から)
テキストにしてしまうと伝えきれない残念さもありますが、井上智さんと高免信喜さんのお話、本当に楽しかったです。今回、ニューヨークで長きに渡りお仕事されていたお二人の対談になった訳ですが、想像を超える葛藤や試練を越えてこそ至った境地を、垣間見させて頂いた気がします。
「存在が音楽そのもの。風を掴む。閃きのヒト」という井上智さんと、「真っ直ぐで、求道者」な高免信喜さんのデュオライブ。2人の個性の違いを意識しながらお聴きすると、さらに面白いことになりそう。実現を心から楽しみにしています。
以上で「個性を磨く」をテーマにした対談はお終いです。井上智さん、高免信喜さん。お忙しいなか、お付き合いありがとうございました。
◼️お二人のプロフィール
【井】井上智(さとし)さん
http://www.satoshiinoue.com
ギタリスト/コンポーザー。神戸市出身。関西のジャズ・シーンで活躍後、1989年にニューヨークに渡る。ニュースクール 大学ジャズ科でジム・ホールに、ニューヨーク市立大学でロン・ カーターに学ぶ。ブルーノート、バードランド、スモーク、スモールズ、ジンク・バー、ヴィレッジ・ゲイトなど有名ジャズクラブに自己のバンドで出演、高い音楽性と実力が評価される。リーダー・アルバムは「9 Songs」など9枚を発表。またサイドマンとしてはジュニア・マンス、フランク・フォスター、バリー・ハリス、ジミー・ヒース、ジェイムス・ムーディー、ロン・カーター、穐吉敏子、ジャック・マクダフ、グラディ・テイト、ベニー・グリーン等多くのトップ・ミュージシャンとのツアーを経験。ジャズクラブの老舗ヴィレッジ・ヴァンガードの70周年記念にはジム・ホールと井上のデュオが出演。2010年に21年間のニューヨーク滞在にピリオドを打ち帰国、同年にNHK BSの1時間番組「NY Music Love 井上智」が放映され話題を呼ぶ。井上の「よく歌うギター」は定評があり、東京を拠点に精力的に活動し、新しいファンを増やしつつある。
演奏活動の傍ら、ジャズ教育も精力的に行ってきた。1994年から16年にわたってニュースクール大学ジャズ科で講師を務めた。現在、慶應大学と国立音大でジャズクラスを持っている。「サトシは 即興演奏に伴奏に 才能の閃きをしめし注目される。」 アイラ・ギトラー(ジャズ評論家)「サトシは 鋭い想像力で音楽を創る優秀なジャズギタリストだ。」 ジム・ホール
【高】高免信喜(たかめん のぶき)さん
http://jp.nobukitakamen.com/
1977年広島県広島市生まれ。桜美林大学を卒業後、2001年にアメリカに渡り、ボストンのバークリー音楽大学に入学。2004年に同大学を首席で卒業と同時に、活動の拠点をニューヨークに移す。以来、トリオ、ソロギター演奏をベースにグローバルな演奏活動を続ける。自己のグループでは、Iridium Jazz Club、Blue Note NY、Blues Alleyなどに出演し、世界最大級のモントリオール国際ジャズフェスティバル、そしてその他数多くのジャズフェスティバルからも招聘され出演する。ニューヨークを中心とした演奏活動に加え、北米やヨーロッパでのツアーも行い、2004年からは毎年日本ツアーも行っている。これまでにWhat’s New Records、Summit Recordsなどからオリジナル曲を中心とした7枚のリーダーアルバムを発表し、世界各国のメディアに取り上げられる。特に最新作『The Nobuki Takamen Trio』はオールアバウトジャズ誌で5つ星を獲得し、「これまでに日本が輩出した最高のジャズギタリストであることは間違いないだろう。」と絶賛される。演奏家としてだけでなく、全米のUSA Songwriting Competition 2019のインスト部門で第1位を獲得するなど、作曲家としても高い評価を得ている。演奏家/作曲家としてだけでなく、世界各地のジャズワークショップや学校訪問を行うなど教育面にも力を入れており、ギタリストを対象とした個人レッスン、通信レッスン、YouTubeなどでも積極的に情報を発信している。Acoustic Image社、Raezer’s Edge社、Eventide社、Sommer Cable、Reunion Blues エンドースメント・アーティスト。
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