教則本棚卸vol.15 矢堀孝一さん読本

連載15回目となる、教則本棚卸です。本のタイトルが「理論読本」となっている通り、この本は読み物として書かれています。

「矢堀孝一のギター理論読本」
著者:矢堀孝一
発行:ヤマハミュージックメディア、2010年05月20日
仕様:136ページ、A5

■矢掘さん教則本、棚卸4冊目

お恥ずかしいことに、未だ矢掘さんの生演奏を聴いたことがないのですが、教則本・教則ビデオを通して、昔からお世話になっている方です。今回で、矢堀さん本の紹介は通算4回、棚卸の初回・第2回も矢掘さんでした。

・棚卸 第1回:理論本(1997)
https://jazzguitarnote.info/2019/02/13/book-yabori-theory/

・棚卸 第2回:奏法本(1996)
https://jazzguitarnote.info/2019/02/20/book-yabori-howto/

・棚卸 第11回:伴奏本(2003)
https://jazzguitarnote.info/2020/11/08/book-11-comping-yabori/

■目次

今回は、先に目次の紹介から。

(1)まえがき
(2)音楽の3要素
   ・音楽の3要素
   ・もう一つの音楽要素
   ・まずいい音、これが大事!
   ・試奏の心得
   ・ジャズっぽいクリーントーン
(3)楽譜を読む
   ・楽譜を読む
   ・タブ譜が充実しすぎ?
   ・ギター の音階
   ・でも楽譜にチャレンジ
   ・楽譜=ミュージック
   ・8分音符がちゃんと弾けますか?
   ・5連や7連をどうするか
   ・楽譜を書く
   ・楽譜はフリーハンドで
(4)グルーヴ
   ・グルーブ
   ・溝
   ・たこ焼き器
   ・一定にも色々あって
   ・味
   ・オルタネートピッキング
   ・オルタネートで溝を切る
   ・リズム感を良くするには
   ・オルタネートピッキングのトレーニング例
   ・グルーブを鍛える練習
(5)速弾き
   ・速弾き
   ・ジャズ界の「速弾き」
   ・速弾きと音楽
(6)ウェスモンゴメリー
   ・ウエスモンゴメリーは理論を知らなかった?
(7)ABCスケール
   ・ABC式スケール
   ・C型のポジション
   ・B型でロクリアン、A型ならエオリアン
   ・リディアン
   ・応用編
   ・ポジション移動
   ・メロディックマイナー
   ・ペンタトニックスケール
   ・ABC型でのペンタトニックスケール
   ・マイナーペンタトニックを利用して各種スケール
(8)耳コピ
   ・レコードからCDへ、時代の流れとともに
   ・なぜ「耳コピ」を勧めるのか
   ・英会話と文法
   ・料理
   ・要点
(9)スタンダード
   ・スタンダード
   ・スタンダードは「ブルース」と「枯葉」?
   ・何を聴いたらいいか分からない
   ・スタンダードをやるなら
   ・ギタリストの「意外なスタンダード」データベース
   ・ブルース
   ・誰とでもすぐにセッション成立
   ・鸚鵡返し
   ・ジャズのセッションでブルース
   ・ジャズブルースのデータベース
   ・Giant Steps
   ・ぶっちゃけGiantStepsをやってみる
(10)理論学習のコツ
   ・理論学習のコツ
   ・オールマイティじゃなくて良い
(11)アウトする
   ・アウトする
   ・アウトとデタラメ
   ・理論と「アウト」
   ・アウトする偉人
   ・アウトを目標に
(12)やらなきゃならないこと
   ・まとめ
(13)あとがき

■所感

目次を見ていただくとお気付きかもしれませんが、いわゆる理論本ではなく、また実践本とも異なる類の本です。暫くぶりに棚卸の為に目を通しましたが、改めての気づきも沢山ありました。

・「リズムの意識と執着」が最重要である、と説いている。とても共感できるポイント。

・音楽3要素とは別に、「サウンド」の重要性を解説。「クリーントーン」について、項目立てて言及している点に注目

・「楽譜を読む」が1章立てて書いてある。ジャズセッションに行って、楽譜読めないのはギタリストだけ。耳が痛いところだけど、避けて通れない道。

・永遠の課題「グルーブ」についての章。スイングのウンチクを面倒に語るようなことはなく、ギタリスト向けに「グルーブを鍛える練習」が紹介されている点はユニーク。

・「ABCスケール」は、珍しい切り口のスケール論。スケールの攻略に行き詰まっている方は、確認してみると良いかも。

・ギタリスト目線からの「スタンダード」章も面白い。

・矢掘さんは、アウトをテーマにした教則本も出されている方。この本でも「アウト」だけで1章の言及あり。「インサイドあってのアウトサイド」の深いお言葉、身に沁みる。

■最後に(編集者から)

矢堀節とも言える、音楽と関係ない「例え話」が、各所に盛り込まれています。それらが、いい感じの寄り道となっていて、最後まで読み通せる面白さにも繋がっています。

表紙カバーに「簡単に理解できて、しかも忘れない」「最低限の知識で、どんな曲でも弾けるノウハウがここに」という見出しがついているのですが、矢堀さん自身が、そんな趣旨で書いているようにも思えない。出版社が気を利かせて添えたコピーかも。

いわゆる教則本とは違った、新たな発見のある本です。

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