世界にひとつのストラップ

皆さん、どんなストラップを使っていますか?

布、革、合成繊維。
幅広、幅狭。
薄い、厚い、クッション入り。
色。
無地、柄、ポイント入り。
フォーク系、パンク系。
値段もピンキリ、数百円から数万円まで。

ジャズギターに適したストラップ?勿論、そんな定番はありません。使うギターの種類やデザイン、演奏スタイル、嗜好性や懐具合など。各自いろんな事情や好みで、意識・無意識に選んでいるはず。

■使っている革ストラップが終売

何でもアリとしてしまうと、記事が成立しないので、今回はレザー(革)製のストラップを取り上げます。

革は革でも色々あって、モノによって質感やデザインが異なります。私の場合、柔らかすぎるものは馴染めなくて、厚手の無骨な革ストラップが好きなんです。

そして、ネット買いだと質感が分からず、失敗した経験も。結果的に、安心して買える同じモノ(D’Addario 「Planet Waves」)を4回連続して購入してきました。特に「コレしかない」と思っていた訳でもないのですが、最近、ソレも終売に。新しいストラップのアタリをつけておかないといけない状況です。

■革ストラップに期待すること

革ストラップを使っていると、少し不満や期待も募ってきます。

・可変できる長さにハマらない

身長180cmくらいを標準にしているのか、ギターを極端に低く吊る設定にしているのか。調整できる長さの中で合わせられない。私の168cm、日本人の身長やジャズギターのような高めの構えを前提にしていないのか。結果的に、背中のジョイント部分を、変な折り返しとかしたりして、無理やり対応している。

・デザインの選択肢が狭い

ストラップは結構目立つアクセサリだと思うが、選びたくなるデザインや仕様のものが少ない。巷にあるのは、フォーク系やパンク系といった、カルチャーとして市場が成立しているものばかり。

・仕上げが雑なものあり

¥7,000くらいの商品でも、ステッチ(縁縫い)が施されていないものあり。使っているうちに縁がほつれてくる。選んで買えば解決することだが、ちょっとした補修なら自分で出来ないものか。

■工房訪問

「改造・工作」ネタに積極的な本ノート。ストラップでも何か出来るのでは?と思っていたら、コロナ禍に突入してしまいました。10月になって、ようやく用心しながらの外出ならば大丈夫な様相になってきたので再トライです。

女性向けの工房が多いなか、男子でも入りやすそうなお店を、WEBで発見。横浜市は六角橋にある、DAY’Z CRAFT WORKSさんを訪問することができたので、ご報告です。

六角橋商店街ふれあい通り 入口
六角橋商店街ふれあい通り

DAY’Z CRAFT WORKSさんは、デニム ジーンズリペア(修理)や、ミシン・ハンドメイド教室を展開しているお店。今日は革ストラップの装飾にトライしてみます。

DAY’Z CRAFT WORKS
店長の碓井さん

■装飾に適したストラップ

幾つかストラップを持ち込んでみました。

厚すぎると、出来ることも限定されるらしく、今回は厚み2mmのモノを題材に選びました(上記写真の手前から3本目)。

■装飾作業(1)スタッズ

❶ 型紙を用意、位置決めします

ネットに無料のデザイン型紙がアップされています。

https://media.leathercraft.jp/img/goods/38830/others/DL_flower_ARE01.pdf

イラレやパワポが使えれば、自分でもデザインできそうです。

❷ 型紙の上から、専用の道具で仮穴を開けます

穴開け工具

❸ 改めて仮穴を、裏まで貫通させます

❹ スタッズをハメ込みます

スタッズ

❺裏の出っ張り(スタッズのツメ)をペンチで曲げて、木槌で均します

■スタッズ装飾の過程

一次完成

■装飾作業(2)オリジナルコイン

次にコインを取り付けてみます。コインにオリジナルの打刻をすることも可能。裏側にピン留めを付けて、取り付けます。

❶ コインを選びます

❷ 今回は「JAZZ」と打刻します

❸ 専用の道具を使ってお椀状にします

❹ 裏側にピン留めをハンダ付けします

❺ カフスのように留めます

「JAZZ」の打刻

■完成品

なかなかカッコ良くないですか?写真見るとバレてしまいますが、私はメモ取りと撮影で手を取られてしまい、ほとんどの作業を碓水さんが担ってくださいました。私が作ったのは10%くらい?

一度作ってみると、デザインから、あれこれと試してみたくなりますね。

■装飾バリエーション

革表面に「文字」や「柄模様」を打刻することも可能です。

(サンプル)文字や柄模様を革に直接打ち込む

■時間と費用の目安

初めての体験なら、1本のストラップで2時間前後が目安かと思います。工房利用料として¥1,500/時間、他に材料費が掛かります。今回は2時間だったので、材料費入れて¥3,300(税込)でした。

土台となるストラップは持ち込みとなります。今回は総額を考慮し、ネット購入で¥1,848(税込、LEVY’S「M26-BLK」)のモノを選びました。合計で¥5,148(税込)。市販のものと同等くらいの値段になるでしょうか。

余談ながら、DAY’Z CRAFT WORKSは白楽駅から直ぐの場所。訪ねる場合は東横線など公共交通機関で。私はやむなく車で直行したため、駐車駐車場代が¥2,700かかってしまいました。やけに高いストラップに(苦笑)。

■工房のご紹介

コロナ対策もあり、予約が必要です。

DAY’Z CRAFT WORKS
横浜市神奈川区六角橋1丁目8−21
デニム ジーンズリペア(修理)専門店、ミシン、ハンドメイド教室
045-633-4925
https://dayz-craft-work-yokohama.jimdofree.com/

■最後に(編集者から)

楽しい時間でした。やっぱりモノづくりは面白い。雰囲気をお伝えしようと思ったら、やけに写真が多くなってしまいました。

革の世界も奥深そうなので、ギターの時間も充分に確保できていないなか、ハマらないようにしないといけませんね(笑)。

革をカットして、ナメして、穴開けてと、ゼロからストラップを作るとなると、時間も労力も掛かってきますが、ストラップを持ち込んでの装飾なら、2〜3時間の作業です。自分だけのストラップ、世界にひとつのストラップ、ご興味ある方はお試しください。

お楽しみ時間付きというのが、このストラップの付加価値ですね。取材ご協力いただきましたDAY’Z CRAFT WORKS碓井さん、楽しい時間をありがとうございました。

One comment to “世界にひとつのストラップ”
  1. Pingback: ストラップを選ぶ | ジャズギター寄り道ノート

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