iPadとジャズギター vol.4 リハ録音を一元管理

2月末から、リモート勤務になっています。リモート勤務とはオフィスから離れた場所で勤務すること。リモート勤務と在宅勤務は微妙に異なります。私の場合、オンラインや喫茶店での会議を挟みつつ、自宅では集中できないため、カフェやファミレスをハシゴしてます。
オンライン会議にも目的によって向き不向きがあって、情報共有なら効率上がるけれど、ブレストだと効率が下がる。対話という行為の奥深さを実感します。
ジャズの世界はどうでしょう。5Gが浸透したら、オンラインセッションなど、もっと身近になるでしょうか。ライブは遠い未来かもしれないけれど、セッションなら可能性ありそう。同じ部屋で演奏しているような感覚で、遠く国内外の人たちと楽しめると考えたらワクワクしますね。「昨晩、Peter Bernsteinさんとご一緒するサプライズに恵まれて」なんて。他言語AI通訳システムが、前後のギタリスト談義のサポートもしてくれるはず。
妄想はこのくらいに、今回は「iPadとジャズギター」連載の4回目「リハーサル録音」です。ギターやバンドのレベルを上げたい場合、自分(たち)のリハ演奏を録音し、振り返る必要が出てきますよね。皆さん、どうしてますか?
 
■自分で気づけない、自分のアラ探し
私のような発展途上の実力では、演奏中に、自分の演奏を客観的に分析することが出来ません。なので録音しておいて、後で確認することになります。
演奏中に「あ、やっちゃった」とか「また同じフレーズ弾いたな」とか気付けるようなものはマシな症状。リズムのヨレ、アンサンブル上のバランス、また無意識に出ているアドリブの手グセなど、演奏中に気づけなかった症状は、容易には治せない、タチの悪いものばかり。
ギターのレベルを上げるには、何を練習すべきなのか、課題の発見が大切です。そのためにも、検証のためのリハーサルの録音が大切だよなーと思います。
 
■用途によってフォーマットを選ぶ?
録音には、WAVか、m4a(AACを含む)というフォーマットが一般的。前者(WAV)は音質優先、後者(m4a)は容量優先の時に使います。

バンドメンバーにリハ音源を配布する際は、音質よりも容量優先で、MP3に変換しています。MP3ならば、相手の再生環境に左右されないので安心です。ちなみに容量は少し大きくなりますが、DropBox利用の場合、m4aフォーマットも使える可能性があります。共有する方々と事前確認が必要です。
用途によってフォーマットを使い分けるのが正しいのでしょうが、正直なところ、いちいち切り替えるのは面倒。皆さん、どうされてますか。出来れば、細かいこと気にしないでやりたいですよね。。
なお、ステレオにすることで、当然、データ容量が倍増します。私の場合、1回のリハで15曲程度を録音するのですが、倍の容量となると、かなりの大きさになります。ステレオ録音=情報量倍増ということなので、切り替える手間を厭わなければ、モノラル/ステレオも切り替えるのが得策なのでしょう。
 
■横着者はiPhone/iPadで完結
私は、隙間時間(電車や風呂など)を使って、リハ録音した音源を確認できるよう、データをiPadおよびicloud(自動的に同期)に格納、管理しています。
かつてはレコーダーも使って録音していたのですが、諸作業のためにiPadやMACに移す手間が面倒になってきました。iPadで完結していると、なにかと便利なんですよね。程なくして録音もiPadで直接おこない、iPadにて一元管理するようになりました。
フローは下記の通り。

1)iPadを使い、m4aフォーマットで録音(モノラル)
← 容量に余裕があればWAVフォーマットやステレオでの録音もOK。
2)録音データを、日付や曲名をファイル名に付して、iPad内で整理
3)メンバー間で共有する音源のみ、m4aをMP3にフォーマット変換
4)iPadからDropboxに、MP3データをアップ
→ メンバー間でデータ共有。
5)風呂にiPadを持ち込み、録音聴いて確認。
→ 録音アプリ上で楽曲中の要所にタグ付け
6)録音からの気づきをiPad内のアプリにメモっておく
→ 必要に応じて、メンバー間に展開
 
■レコーダーもiPadも、入力レベル調整の面倒は同じ
スタジオリハなど、大きな音量の場所でiPadを使って録音する場合、入力の調整に気配りが必要です。
普通ジャズのセッションならば、気にせずとも大丈夫ですが、ファンクバンドのリハで気を抜くと、音割れします。またピークオーバーを気にし過ぎて、入力レベルを絞り過ぎると、ショボい音になってしまいます。結局、手元調整で適正な入力レベルに収めなければなりません。
このレベル調整、ホントに面倒くさい。自動調整してくれる機能が付いているiPad録音アプリやレコーダーもありますが、不自然にコンプやブーストが掛かるので、ダイナミクスが無くなり使えたものではありません。多様な録音シーンに応えるえるための親切設計機能であることは承知しているのですが、こと演奏の録音には不向きです。
演奏中は楽器周りやアンサンブルに意識を取られるので、録音はなるべく簡単便利に済ませたいところなのですが、この入力レベル調整は避けられないのが現状です。
 
■iPad内蔵マイクの進化に期待

iPad(第5世代)マイク(上方側面 中央部)

iPadのマイクは、通話・ビデオ撮影・オーディオ録音など、多目的に使われます。そのためiPadAIR(2019)やiPadの第5(2017)第7(2029)世代には2つのマイク、最新のiPad PROには5つのマイクが内蔵されています。
iPad第5世代とiPad AIR2019を使って録音してみると、新しい世代のiPadのほうが音質が良いように思います。内部マイクの性能が上がったのか、処理能力が上がったのか、はたまた録音条件の微妙な差なのか、実態は分からず。
詳細を知りたくてWEB検索してみたのですが、参考になるサイトは発見出来ませんでした。素人の私が、これ以上、深掘りしても無駄な気がします。お詳しい方、ご教授ください。
 
■まとめ
長文になってしまったので、今回はここらでオシマイです。負荷を最小限にして、気持ちよく録音したい。まだまだ技術的にも進化の余地がありそうです。最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
(追記1)リハーサル録音に関しては、続編を予定しています。
(追伸2)未来のリモート・セッション・サービスの開発をされている方、いらっしゃいませんか。全身全霊でサポートします!
 
——(付記) 音声データフォーマットについて————-
一般的な音声フォーマットをオサライしておくと。
① CDを作成するなど、高音質で録音したい場合 = WAV形式
・よく耳にする「リニア PCM」は、アナログ音声データをデジタル音声データに変換する方式。リニア PCM により作られた音声データは、WAV フォーマットファイルに入れることができる(PCM=pulse code modulation)。
・WAV形式は非圧縮の形式ため、ファイルサイズが大きく、1分間の音声で約10MBを必要とする。音楽CDと同等以上の音質がある。
②AACとm4a
・AAC(Advanced Audio Coding)は音声圧縮方式の種類で、MP3より圧縮率が高く、音質はほぼ同じ。
・AAC音源の多くはMP4に格納されていて、AACなどの音源のみが入ったMP4ファイルをm4a形式と言う。
・m4a形式はiTunesで再生可能だが、対応する機器やアプリが少ないため、他人とのヤリトリには不向き。
③長時間録音、メール添付などで扱う場合 = MP3形式
・MP3形式はWAV形式に比べてファイルサイズが小さく、1分間の音声で約1MB(128kbpsの場合)。ファイルサイズを抑えたい場合は、MP3ファイルが一般的。
・メッセンジャーなど、アプリによっては再生できる音声ファイルがMP3などのファイル形式に限定される。MP3にしておけば万能。
・クラウドサーバーにアップする場合は容量制限を気にしなければならない。リハ音源の検証目的ならば、MP3は必要にして充分な音質。

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